最終更新日:2023年9月25日
歴史初心者でも理解できるように気を付けながらテキストを書き連ねています。ただし、それなりのマニアの方でも楽しめるように留意しています。
※著者の興味がある範囲内での記述ですので、断片的な内容が多いです。
※ドラフト的な記事もありますが、少しずつ書き進めて行っています。
通史的な内容
地域別
資料的なもの
動画での解説
動画での解説もいくつかやっています。
稲用のYouTubeチャンネル「プピトムジーク」は、こちらです。 プピトムジーク
はじめに
過去も現代も、そして未来もそうだと思いますが、人類の歴史は宇宙の運動に左右されます。宇宙というと大げさかもしれませんが、人知の及ばない天体としての地球自身の環境の変化(温暖化や寒冷化)にプラスして、たまに起こる突発的で大規模な火山の噴火などによって大きく環境が変化して、それにより植物や動物が変化を強いられて、当然人間もその影響を大きく被ります。そのため、歴史を勉強するときは、自然環境の変化(とくに気候変動)に敏感にならないといけません。
地球には一定の周期で氷期が訪れ、氷期と氷期の間には温暖な間氷期が存在します。これについて、間氷期には奇数番号を、氷期には偶数番号を付けて、海洋酸素同位体ステージ(MIS: Marine Isotope Stage)と呼んでいます。下の図は、青色の線が気温ですが、日本でホモサピエンスが活動を開始した4万年前から縄文時代の始まりの頃までは、きわめて寒冷であったことが分かります。1~9の数字がMISです。
_過去32万年間の環境変動データ_.jpg)
そして、歴史は人間の営みですが、その人が何を考えているのかは、他の人には分かりません。推測はできても本当のことは本人しか分かりません。例えば、本能寺の変で信長が自害したのは事実としても、本能寺を攻めた光秀の心の内は誰にも分からないのです。
だからこそ、歴史の解釈をめぐっていろいろな説が登場しますし、自分でもあれこれ考えたりして、私たち歴史好きはそれを楽しむことができるのです。真実の追及に全力を尽くすのもいいですが、その気持ちが行きすぎて、例えば恣意的な考えをもとに「邪馬台国は奈良にあった」と決めつけて、その考えを他人に押し付けるとか、そういう恥ずかしいことはせず、他人の考えを尊重しつつ、様々な可能性を考えながら分からない状態でいることをもっと楽しみましょう。
本稿で述べることは、稲用の説なのか、それとも誰かの説なのか、そして内容は客観的な事実なのか、推測なのかということをなるべく分かるように留意しながら論を進めます。