しろいしいなりやまこふん 155m 5期 5世紀前半

 

以前は説明板に記された通り墳丘長175mとされたが、最近の調査で155mと判明

墳丘前方部側(南側)の道路脇に駐車可能

前方部側の少し離れた場所から墳丘を眺めるとどこからが古墳なのか分かりづらいと思うが、墳丘を歩いてみれば分かる

時間がある方は、藤岡歴史館か七輿の門に車を停めて、南の白石稲荷山古墳から北の伊勢塚古墳まですべて歩いてめぐるのもいい

 

※本ページで使用している写真は断りがない限り、2022年6月4日に撮影したものです 

 

現地説明板

現地説明板
藤岡歴史館にて撮影
藤岡歴史館にて撮影

 

探訪レポート

 古墳の東側の県道173号線を南から走ってくると、前方に大きな墳丘が見えてきます。すごく良い眺めなので写真を撮りたいと思うのですが、路駐する余裕がない道路です。そのため、古墳に近づいたところで、左手に現れる農道のような細い道に入り、いったん車を停止させて写真を撮るといいでしょう。

 さらに細い道を古墳のほうまで近づき、通行の妨げにならない場所に車を停めて下車、あとは歩いて墳丘を探索します。

 前方部から後円部を見ます。後円部の一部のみささやかな森になっていますね。

 古墳の外から墳丘に向けて歩いて行くと、いつの間にか墳丘に登っている感じで、周堀のようなものは地表では分かりません。段築もはっきり分かりませんが、3段築成です。

 後円部墳頂には石碑があり、冒頭に掲示した説明板も立っています。

 既述した通り、説明板に記してある墳丘長175mは誤りですよ。個人的には実際の墳丘長が155mだと分かったときはガッカリしました。

 別に大きければいいということでもないのですが、やっぱり大きい方がいいですよね。

 後円部墳頂の囲繞された埴輪列の内側には、東西2つの礫槨が墳丘の主軸とほぼ平行するように構築されており、封土上には東槨上には家形埴輪が5つ、西槨上には家形埴輪が3つと短甲形埴輪が置かれていました。

 主体部からの出土遺物は多量で、とくに石枕をはじめとした石製品には非常に惹かれるものがありますが、それら大量の遺物は現在はどこにあるのでしょうか。

 後円部墳頂から北の方を眺めます。

 遠くの山々がとても奇麗です。後円部はほぼ北東を向いていますので、正面の裾が伸びた秀麗な山は赤城です。手前にある三角屋根の比較的大きな建物は藤岡歴史館。

 冬に来た方が良い景色が見られると思いますが、今日は梅雨前の時期といえども幸いとても晴れて素晴らしい景色を見ることができています。

 やや西にパン。

 さらに西にパンすると、榛名が見えました。

 今度は反対側、後円部から前方部を見ます。

 初めて来たときは少し雨が降っていたので、今日は晴れていて嬉しいです。

2017年10月25日撮影

 では、藤岡歴史館へ行きましょう。

 

関連施設

 藤岡歴史館には、白石稲荷山古墳で見つかった埴輪が展示してあります。

 七輿山古墳の7条突帯には驚きますが、展示されている円筒埴輪は3条ですので、ちょっと小さいですね。

 朝顔形円筒埴輪は2つ展示してあります。

 透かし孔が四角の埴輪は、丸だけのものよりも少し古いですが、同じ古墳に並べられていたということは、同じ時期に焼かれたものであるので、デザインがちょうど切り替わる時期だったのかもしれません。

 2つの朝顔形円筒埴輪を比べると色味が違うため、それぞれ違う窯で焼いたことにより、デザインの差が出てしまったのでしょうか。

 なお、藤岡歴史館には、上の展示パネルに掲載されている家形埴輪の1つが展示してありますが、東京国立博物館の所蔵物を借りてきて展示しているので写真撮影は不可です。

 また、本文で記した通り、大量の遺物が見つかっていますが、それらはいったいどこで見ることができるのか、ご存じの方がいらっしゃったら教えてください。

 

周辺のおすすめスポット

七輿山古墳
伊勢塚古墳
藤岡歴史館

 

参考資料

現地説明板
『群馬県史 資料編3 原始・古代3』(群馬県史編さん委員会/編・1981)P.429~ 
『群馬の古墳物語 下巻』(右島和夫/著・2018)P.104~

「全国遺跡報告総覧」内『群馬県藤岡市 七輿山古墳の測量・GPR調査』(城倉正祥ほか/編)

 

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