
講座概要
五島列島は、北端の宇久島から南端にある無人島の男女群島の女島までの距離を測ると約160kmあります。五島市のHPによると、島の数は大小あわせて152。五島列島内最大の面積を誇り五島市役所がある福江島と、2番目に大きく新上五島町役場がある中通島をその中心とし、両島の間にある若松島・奈留島・久賀島をあわせた五つの島が良く知られている「五島列島」です。
今回の現地講座では、良く知られている「五島」の中では福江島のみを訪れ、その代わり、一般的なツアーでは訪れることの少ない最北端の宇久島とその南にある小値賀(おぢか)島を訪れます。
※下図はクリックで拡大しますので、各島の位置をご確認ください。

五島列島の歴史を語る上では、潜伏キリシタンの話が最も有名でしょう。そのため、一般的なツアーでは、それに関連するスポットを多く盛り込んでいます。しかし、AICTは「古い時代」に力を入れているため、今回の現地講座では縄文・弥生・古墳時代のスポットの比重を高め、資料館で考古遺物を鑑賞します。また、五島列島は平安時代の遣唐使との関連も重要ですので、福江島から中国へ旅立った最澄や空海ゆかりのスポットも訪れます。
今回は船に乗船する時間が長く、上陸できない他の島々の合間を縫って航行するシーンもあります。旅の最後は博多港まで長時間の乗船で戻ってきますから、極めて安全な船の上に居つつ遣唐使のロマンを感じてみてください。
※本現地講座を企画した段階では、各館の休館予定はチェックしていますが、もし臨時休館になってしまった場合は、他の箇所で代替させていただきます。
※各館に展示してある遺物に関しては、タイミングによっては他館へ貸出している可能性がありますが、その場合はご了承ください。
※本現地講座は原則的に自動車でめぐりますが、宇久島のみ徒歩でめぐります。
ちなみに余談ですが、男女群島は過去は有人島で、日本の国生み神話でイザナギとイザナミが最後に生んだ島といわれています。明治時代には、「珊瑚バブル」に湧いた時期がありました。
昔から国防の最前線で、第二次大戦中には日本軍のレーダー基地がおかれ、戦艦大和を屠ったアメリカ海軍の航空隊の動きをキャッチしていました。しかし日本軍は有効な対抗手段はひとつも持ち合わせておらず、大和は男女群島南端の女島から真南約176㎞の地点に沈んだのです。
また、あまり知られていませんが、男女群島の北西約35㎞の地点には、同じく五島市に属する肥前鳥島という3つの島からなる無人島群もあり、男女群島と共に日本国の排他的経済水域(EEZ)の設定上大変重要な島々です。
本講座のテーマ
AICTの掲げるテーマの内、本講座は主として「◎」に該当します。
| 旧石器時代 | 日本人のルーツと列島文化の始まりを探る | |
| ◎ | 縄文時代 | 土器と土偶を楽しもう・列島各地の多様な縄文文化に触れる |
| ◎ | 弥生時代 | 列島各地における国ぐにの発生と邪馬台国の謎を追う |
| 古墳~飛鳥時代 | リアル日本書紀・ヤマト王権の確立と古代国家成立への軌跡を探る | |
| ◎ | 古墳~飛鳥時代 | 列島各地の古墳をめぐろう・諸国古墳探訪 |
| 奈良~平安 | リアル続日本紀・列島各地に残る律令国家を見る |
開催日
2026年12月11日(金)~13日(日)
集合場所と出発時刻
五島福江空港の到着ロビーに10:40集合
羽田空港から来る場合は、以下の飛行機を乗り継いで来ることを想定しています。
・羽田空港7:15発 JAL605便 長崎空港9:10着 ※時刻が変更になりました(8月25日追記)
・長崎空港9:50発 JAL4073便(OC073便) 五島福江空港10:20着 ※オリエンタルエアブリッジ(ORC)との共同運航
以下、8月25日に追記しました。
調べたところJALとORCはあまり相性が良くなく、上述の飛行機の場合、長崎空港に着いたらいったん到着ロビーに出て、再度保安検査場を通過してORCへ乗らないといけないようです。保安検査場は20分前に通過する必要があるため、もし、長崎空港着の飛行機が15分以上遅れたアウトです。
五島福江空港での集合時刻に間に合うのであれば、別のルートでも大丈夫です。ANAの福岡空港経由のルートもあります。稲用が遅れたら元も子もないため、稲用は前日のうちに福江島に入ることにしました。
もし、長崎到着の飛行機が遅れて、上記のORCに乗れなかった場合は、長崎空港5番乗り場からリムジンバスに乗り、大波止バス停(長崎港最寄)まで移動し(1400円)、長崎港から九州商船のジェットフォイル(約9000円)で福江港までいらしてください。ジェットフォイルは、「2便 長崎港11:30 発 福江港12:55着」にお乗りください。昼食はご自身でお摂りください。現地講座の開始時刻を遅らせて始めさせていただきます。
※長崎港まで行くリムジンバスは10分~20分間隔であり、乗車時間は40分です。
宿泊場所
1泊目は、福江島の福江港近くでお取りください。
2泊目は、小値賀島の小値賀港近くでお取りください。
※1泊目に関しては、旅行サイトからも取れると思いますが、2泊目に関しては現地の宿泊場所に直接電話して取ることになると思います。小値賀島の宿泊施設に関しては、こちらを参考にしてください。
フェリーや高速船
下記の通り今回は船に3回乗ります。フェリーや高速船の予約はお客様の方でお願いします。
① 12月12日(土) 福江10:10発 小値賀13:00着 フェリー太古 2,600円(グリーン和室は4,100円)
② 12月13日(日) 小値賀10:45発 宇久11:05着 九州商船の高速船 運賃は8月25日現在未定ですが、1,350円くらいだと思われます。
③ 12月13日(日) 宇久13:55発 博多17:50着 フェリー太古 3,840円(グリーン和室は5,340円)
①・③の発売日は、乗船日1ヶ月前(11月12日・13日)9時です。
フェリー太古のサイトは、こちらです。
※グリーン和室は指定席のようなものです。正確に調べたい方は、フェリー太古のサイトをご覧ください。
②の発売日は、乗船日2ヶ月前(10月12日)9時です。
九州商船のサイトは、こちらです。
※フェリーや高速船のチケットを取ったことが無い方は、稲用がサポートします。
解散場所
旅の最後は、宇久島の宇久平港を13:55に出航して、博多港に17:50に到着する「フェリー太古」に乗船します。乗船時点で解散としますが、福岡空港まで帰る方は一緒に帰りましょう。
※ちなみに、宇久平港14:10発、佐世保港15:35着の高速船(6,840円)もありますので、こちらで帰る方はお知らせください。
博多港からは、タクシーあるいは路線バス+地下鉄で福岡空港へ移動します(所要30分~1時間)。
※タクシーになかなか乗れず少し待つことがあります。最悪、路線バス+地下鉄で空港まで移動しますが、大きい荷物を持っているとしんどいです。
下記の飛行機に乗ることを想定しています。
・福岡空港20:10発、羽田空港21:45着 JAL330便
お客様で事前に予約あるいは手配していただくもののまとめ
今回の現地講座の行程は少し複雑なので、お客様で予約あるいは手配していただくものをまとめます(羽田空港出発・羽田空港帰着想定)。
| # | 買うもの | どこで買う? | いつ買う? |
|---|---|---|---|
| 1 | 羽田空港から長崎空港までの航空券(往路1) | JAL公式サイト他 | すぐ |
| 2 | 長崎空港から五島福江空港までの航空券(往路2) | ORC公式サイト他 | すぐ |
| 3 | 1泊目の宿 | 各種旅行サイト | なるべく早く |
| 4 | 福江島から小値賀島までのフェリー「太古」乗船券 | 太古のサイト | 1か月前 |
| 5 | 2泊目の宿 | 島の旅館へ電話 | なるべく早く |
| 6 | 小値賀島から宇久島までの高速船の乗船券 | 九州商船のサイト | 2か月前 |
| 7 | 宇久島から博多までのフェリー「太古」の乗船券 | 太古のサイト | 1か月前 |
| 8 | 福岡空港から羽田空港までの航空券(復路) | JAL公式サイト他 | すぐ |
※参加申し込みをされた方に対しては、買い忘れが無いかなど、稲用がきちんとサポートいたします。
主な探訪箇所
本現地講座では、①福江島、②小値賀島(おぢかじま)、③宇久島をめぐります。
① 福江島
福江島は五島列島最大の島で、面積は326.36㎢あり、下記の通り全国で15番目の大きさの島です。
1位 本州 227,939.72 世界第7位の島
2位 北海道 77,984.49
3位 九州 36,782.38
4位 四国 18,297.37
※ここまでを本州四島と呼ぶ
5位 択捉島(北海道) 3,166.64
6位 国後島(北海道) 1,489.27
※この2島は今はロシアが違法に占拠していますが縄文遺跡もあって古くから日本です
7位 沖縄島(沖縄県) 1,208.53
8位 佐渡島(新潟県) 854.81
9位 奄美大島(鹿児島県) 712.41
10位 対馬(長崎県) 695.74
11位 淡路島(兵庫県) 592.51 ※橋で繋がっています
12位 天草下島(熊本県) 574.95 ※橋で繋がっています
13位 屋久島(鹿児島県) 504.29
14位 種子島(鹿児島県) 444.30
15位 福江島(長崎県) 326.36
※令和2年10月1日時点の電子国土基本図(地図情報)から測定した値(単位は㎢)。
冒頭述べた通り、福江島は潜伏キリシタンで有名な島で、それに関する歴史スポットも多いですが、本現地講座では、縄文時代や弥生時代など古い時代をフィーチャーします。
遣唐使は始まった当初は邪馬台国時代以前の大昔からこなれていた壱岐・対馬から朝鮮半島を常に陸地を視認しながら進むルート(北路)で安全でしたが、天武天皇が崩じた頃から日本は新羅との関係が悪くなり、朝鮮半島に近寄れなくなったため、7世紀末頃からは直接中国大陸へ横断する航路の開発が始まりました。模索期間を経てようやく落ち着いたのが8世紀半ばで、それを南路と呼びます。
ところが、当時は羅針盤はなく、南路はかなりギャンブル的要素が強いもので、今から考えても正気の沙汰とは思えません。北路での遭難率がほぼゼロであったのに対し、南路は約5割と言われています。それでも延暦23年(804)の第16次遣唐使船には最澄や空海が乗り込み、何とか往復して日本に戻ってきています。
遣唐使船は原則4隻で出航します。国家の正式な遣いである遣唐使からスタッフまで含め総員400名から600名の規模です。運良くどの船かが辿り着けば任務を果たせるわけで、第16次遣唐使でも最澄と空海の乗船以外の2隻が帰ってきませんでした。これではロシアンルーレットのようなものです。
遣唐使は唐の都(長安)で元旦に開かれる儀式に出席するため、逆算して台風シーズンの出発になり、これも遭難率を高めた理由とも考えられますが、冬は冬で東シナ海は荒れ狂うため、復路の遭難率の方が高く、いつ航海したところでどっちみちロシアンルーレットであることには変わりありませんでした。
以上、ちょっと長く語りましたが、福江島で最澄や空海を含めた遣唐使のドラマに思いを馳せてみませんか。
福江島でめぐるスポットは下記のとおりです(自動車でめぐります)。
五島観光歴史資料館|五島市
2階に歴史・考古展示室があり、縄文時代の遺物としては、宮下貝塚から出土した土器や人骨、大板部洞穴で見つかった朝鮮半島との交流を示唆する櫛文土器などを展示。弥生時代は、白浜貝塚から出土したクジラ骨製の漁具やサメの歯製の鏃、一本木遺跡から見つかった美しいガラス製小玉などを展示しています。

福江城跡|五島市

白浜貝塚|五島市
砂丘に立地する縄文・弥生時代の複合遺跡。縄文時代後期の土器が出土し、縄文時代晩期と弥生時代前期の貝塚が検出されています。
縄文後期の遺物は、鐘ヶ崎式土器と北久根山式土器に伴って石錘や石匙などが多量に出土。縄文晩期の貝塚からは、幼児を腕に抱いたような状態の成人男性の人骨の埋葬が見られました。弥生時代前期の貝塚からは鹿骨製ヤス、サメ歯製の鏃、鯨骨製のアワビオコシなどの多数の骨角製品が出土。説明板あり。

宮下貝塚|五島市
台地の先端にある縄文時代の貝塚。前期と後期の土器が見つかっており、後期の遺物が多いです。打製石斧を埋納したような遺構や6体分の人骨も見つかっています。現地は説明板があるだけでとくに何もありませんが、縄文人も見たであろう美しい景色を見に行きましょう。

寄神貝塚|五島市
溶岩台地上に形成された弥生時代前期および中期の貝塚を伴う集落跡。岩礁性の貝類が約50種と近海で捕れる魚類や鹿などの陸上に生息する獣の骨がみつかりました。若干の骨角器と少量の人骨も出土。説明板あり。

道の駅 遣唐使ふるさと館|五島市
道の駅ですが、遣唐使に関連した資料を展示しています。 ついでにお土産も買いましょう。

遣唐使船型展望台|五島市
遣唐使船をイメージした船体が置かれた展望台です。

辞本涯の碑|五島市
三井楽半島先端の柏崎公園内に「辞本涯(本涯を辞す)」の碑が立っています。遣唐使はこの地を立つといよいよ日本とお別れとなりました。804年の第16次遣唐使船で唐に渡った空海もここから中国へ向かいましたが、「辞本涯」は、「日本の最果ての地を去る」の意味で、空海が残した言葉と言われています。

堂崎天主堂キリシタン資料館|五島市
聖堂内に設けられた資料館です。堂崎天主堂は、明治時代になり弾圧が終わった後の宣教活動の拠点として明治12年(1879)にパリ外国宣教会のマルマン神父によって建立された仮聖堂がそのはじまりで、その後、後任のペルー神父によって建替えられ明治40年(1907)に完成しました。

堂崎民俗資料館|五島市
堂崎天主堂キリシタン資料館に併設された民俗資料館です。
② 小値賀島(おぢかじま)
小値賀島(小値賀町)は、北松浦郡に属しています。平成の大合併の際には、同じ北松浦郡に属していた宇久町ともども揃って佐世保市に編入する話があったのですが、小値賀島は島の文化を守るため独立の道を選択しました。小値賀島の面積は、約12.2㎢。小値賀町の人口は、令和8年6月30日現在、2,042人です。
小値賀島は、五島列島らしく潜伏キリシタンの子孫が多い島です。一方で宇久島には潜伏キリシタンの子孫はほぼいないと言われています。もしかしたらこれに起因する価値観の違いが、平成の大合併での小値賀町の佐世保市への編入を妨げたのかもしれません。
五島列島の多くの島々は地形が険しく、稲作には適していませんが、小値賀島と宇久島は他の島々と成り立ちが異なり、比較的平坦な土地が広がっており、田んぼや畑が島の大きさの割には多いです。広大な平野があるわけではないので、棚田や段々畑が多いのです。小値賀島の田んぼは、4月に植えて8月に収穫します。
小値賀島でめぐるスポットは下記のとおりです(自動車でめぐります)。

神ノ崎遺跡|小値賀町
弥生時代中期から古墳時代後期にかけて造営された石棺墓群。南九州西側の古墳時代の墓制である地下式板石積石棺墓も見られます(地下式板石積石棺墓は、今年の5月の鹿児島の現地講座の際に見た遺構です)。

神方古墳|小値賀町
五島列島で唯一残る古墳と言われています。終末期の築造と考えられる径15ⅿの円墳で、両袖型の横穴式石室を備えています。

地ノ神島神社|小値賀町
大宝4年(704)の創建と伝わる古社。大宝2年の遣唐使からは北路を使わず、五島列島を経由するようになったので、創建はそれと関連するかもしれません。

小値賀町歴史民俗資料館|小値賀町
江戸後期に建築された小田家屋敷を利用した資料館です。町内の遺跡から出土した旧石器時代から近代までの考古資料を展示。中世の小値賀島が中国と貿易していたことを示す陶磁器も展示しています。
③ 宇久島
宇久島は、面積約24.93km2の離島で、現在は佐世保市に属しています。元々は北松浦郡宇久町という独立した自治体でしたが、島民は昔から街に出る場合は佐世保に行っており、歴史的にも佐世保との関りが強かったため、2006年に佐世保市に編入されました。
宇久島の宇久平港と佐世保港は、高速船で約1時間25分で結ばれています。五島列島というと潜伏キリシタンで有名ですが、既述した通り、宇久島には潜伏キリシタンの子孫はほぼいないと言われています。
平清盛の弟・家盛が入部して島の支配者となったとの伝承から、以前は「平家の島」を売りにしていたようです。佐世保市宇久町の人口は、令和8年8月1日現在、1,542人です。
宇久島でめぐるスポットは下記のとおりです。
※今のところ宇久島ではレンタカーを借りる予定はありませんが、お客様の要望によっては借りることもできます。ただし、その場合はレンタカー代をお客様で割り勘とさせてください。はっきりした金額は分かりませんが、お一人様3,000円あれば足りると思います。

長崎鼻遺跡|佐世保市
旧石器から中世までの複合遺跡で、縄文時代中期から後期が主体。丸ノミ形石斧が出土しました。2基の石積盛土墳が残っていますが、時代は分かっていません。説明板あり。景色を眺めつつ、宇久平港からは片道35分くらい歩いていきます。

宇久松原遺跡|佐世保市
縄文時代から弥生時代にかけての墓域。弥生時代前期の支石墓の復元展示があります。

佐世保市宇久島資料館|佐世保市
五島列島最北端の宇久島の歴史や文化を紹介した資料館。2006年に旧法務局の建物を活用して開館しました。長崎鼻遺跡出土の縄文時代中期の阿高式系土器や宇久松原遺跡から出土した壺棺などの考古資料や民俗資料を展示しています。
参加費
参加人数が2名様の場合、お一人様89,000円
参加人数が3~5名様の場合、お一人様69,000円
※参考までに某旅行会社が現地集合・現地解散で出している6泊7日の五島列島のツアーの参加費は238,000円です。
催行人員
最大5名様
キャンセル料と発生時期
キャンセル料は、以下の通りです。
・開催3ヶ月前からは、34,500円
・前日・当日は、69,000円
参加予定メンバー(8月20日現在)
・まだらさん
・勝衛さん
以上、女性1名様、男性1名様(残席3名様)。
