【大阪の原始と古墳】2/7~9【3日間】河内平野の旧石器・縄文と行きそびれた古墳に行く <第N次 AICT>

 

講座概要

 ※本現地講座は自動車でめぐります。

 AICTでは過去に大阪の現地講座を沢山やりましたが、すべて古墳中心に開催しました。しかし、大阪にも有名な国府遺跡をはじめとして、旧石器時代や縄文時代の遺跡があります。遺跡の現地はヴィジュアル的に残念な場所が多いですが、石器や土器が見学できる資料館等はそこそこあるため、施設にて遺物の鑑賞を行います。縄文土器については、東日本の土器との相違点を解説し、特徴が掴めるように努めます。

 また、過去の現地講座に参加できなかった方は、まだ見学できていない古墳があると思います。今回は、参加者のリクエストの古墳も訪れます。行ってみたいけどまだ行けていない場所がありましたら、是非この機会にご参加いただき、懸案となっている場所をリクエストしてください。

 ※今回は大阪府の中でも河内国をテーマにするため、探訪箇所はなるべく河内国内にします。土地勘が無い方は河内国内の範囲が分からないかもしれないので、行きたい場所が河内なのか分からなくても、大阪府内であればとりあえずリクエストをくだされば検討いたします。

 

本講座のテーマ

 AICTの掲げるテーマの内、本講座は主として「◎」に該当します。

旧石器時代日本人のルーツと列島文化の始まりを探る
縄文時代土器と土偶を楽しもう・列島各地の多様な縄文文化に触れる(ただし、遺物の鑑賞がメインです)
弥生時代列島各地における国ぐにの発生と邪馬台国の謎を追う
古墳~飛鳥時代リアル日本書紀・ヤマト王権の確立と古代国家成立への軌跡を探る
古墳~飛鳥時代列島各地の古墳をめぐろう・諸国古墳探訪 河内偏
奈良~平安リアル続日本紀・列島各地に残る律令国家を見る

 

開催日

2025年2月7日(金)~9日(日)
※日程の調整をお願いすることがあるかもしれませんが、その場合は、お申込みの早い方を優先します。

 

集合場所と出発時刻

集合場所は、「オリックスレンタカー 新大阪店」とします。10時までにいらしてください。

※新大阪集合の現地講座に参加されたことがある方はいつもの場所です

大阪市淀川区宮原1-19-17 06-6399-0543
店のサイトには、「JR新大阪駅西口出て右へ徒歩7分。市営地下鉄御堂筋線東三国駅4番出口より徒歩4分」とあります。
実際には、小さな出口である西口から外に出て、右方向(北側)に向かえば道は一直線で意外と近いですが、新幹線を降りてから西口に出るまではちょっと迷うかもしれないのでご注意ください。

※西口から外に出る直前にトイレがあり、多分ですが、新幹線改札内よりもそこの方が空いていると思います(混んでたらゴメンナサイ)。

店のサイトはこちら

 

宿泊場所

なるべく効率よく動きたいため、参加者の希望により探訪箇所がある程度決まった段階で決定します。

 

解散場所と帰着時刻

新大阪駅に18時30分までには戻るようにします。
ただし、道路状況によっては予想よりも早く戻ってくる可能性もありますのでご了承ください。

 

探訪箇所

※探訪順は下記の通りではありません。
※本現地講座を企画した段階では探訪予定の施設はすべて開館予定(あるいは休館未定)になっていますが、探訪当日に臨時休館だった場合はご了承ください。
※下記は、お客様希望箇所と稲用チョイス箇所が混在しています。

 


国府(こう)遺跡|藤井寺市

 末永雅雄、酒詰仲男、山内清男といった錚々たる考古学者が発掘した遺跡。有名な国府型ナイフ形石器の命名のもとになった遺跡である。国府型ナイフ形石器は、翼のような形をした翼状剥片から造られる。それは瀬戸内技法と呼ばれ、サヌカイトの特質を見極めた人びとが編み出した製作技法だ。遺物は関西大学博物館で見ることができる。

 


藤井寺市立生涯学習センター アイセルシュラホール|藤井寺市

 津堂城山古墳の水鳥形埴輪の実物が展示されており、古墳がメインの展示室だが、旧石器時代や縄文時代の遺物の展示もある。古市古墳群を歩いたことがある方にとっては復習できる展示内容だ。

古代の船を模した外観
基本、古墳時代中心の展示
国府型ナイフ形石器ほか
縄文土器もあるぜ!

 


翠鳥園(すいちょうえん)遺跡|羽曳野市

 旧石器時代の石器製作所跡。30か所以上の製作跡から3万点もの遺物(石器類)が見つかった。現地は遺跡公園になっており、石器製作跡を「アトリエ」と呼ぶユニークさがある。周囲には古市古墳群が展開し、まさに古墳のメッカな場所なわけだが、その中においてこの遺跡公園は異彩を放っている。展示解説に力が入っており、列島全体を見渡してもここまで石器製作の解説に拘った遺跡はそうあるものではなく、気持ちの上では北海道今金町のピリカ遺跡に負けていないと思う。

 


日下(くさか)貝塚|東大阪市

 東大阪市の位置は、現在の地図で見ると少し内陸側にあるが、縄文海進のときは海が迫っていた。見つかった貝の99%は、セタシジミ。縄文晩期の亀ヶ岡文化の土器が出土しており、北東北の文化がこの地にまで影響を及ぼしていたことが分かる。また、古墳時代のほぼ完全な馬の骨が見つかったことでも有名。

 下の写真は日下遺跡とは関係ないが、大阪歴史博物館で撮影した大坂城跡下層出土の弥生時代中期の土器で、セタシジミを添えて展示している。

大阪市中央区大坂城跡下層出土・大阪歴史博物館にて撮影

 


長原遺跡(長原高廻<まわ>り古墳群)|大阪市平野区

 長原遺跡は、縄文時代晩期の長原式土器の標式遺跡。古墳時代の遺構としては、中期前半の鍛冶工房跡や中期を中心とした200基以上の古墳が見つかっている(長原高廻り古墳群)。ただし、現地では特になにかが見られるわけではない。

 出土した遺物のうち、残存状態の良好な埴輪30個と、附指定として鏃形土製品3個が国の重要文化財に一括指定され、一部は大阪歴史博物館に展示され、同館の古墳時代の展示の主役的存在となっている。またレプリカは平野区民センターで見ることができる。

 ※大阪城の近くにある大阪歴史博物館は今回の行程に入っていないため、是非各自で訪れてください。

高廻り1号墳と2号墳から出土した船形埴輪(2号墳出土埴輪は、現在トーハクの特別展「はにわ」に航海中=大阪歴史博物館にて撮影)

 


加美遺跡|大阪市平野区

 弥生時代中期から古墳時代にかけての集落跡。特筆すべきは、弥生中期の方形の大型墳丘墓がみつかったことで、Y-1号墓と呼ばれるそれは、25m×15mの大きさで、弥生墳丘墓の話題の際には必ずと言ってよいほど登場する有名な墳丘墓だ。大阪府内では最大。また、弥生時代終末期から古墳時代初頭にかけての方形周溝墓も46基みつかっている。なお、それらは地下に保存されており、現地では見ることはできないが、場所だけでも確認する意味があると思う。

 


大阪市平野区民センター 文化財展示コーナー|大阪市平野区

 縄文時代晩期末の長原式土器や、加美遺跡の弥生墳丘墓から見つかった土器、それに高廻り2号墳出土の埴輪のレプリカなどを展示している。基本無休。9:30~21:30。

長原遺跡出土・長原式土器(大阪歴史博物館にて撮影)

 

85.8
金山古墳|河南町

 非常に珍しい双円墳。6世紀末から7世紀初め頃に築造された。北丘の径は38.6mで2段築成、南丘の径は55.4mで3段築成なので、通有の前方後円墳に当てはめると、北丘の方が前方部的な扱いに見える。

 北丘には長さ10mの横穴式石室があり、石室内を上から覗くような形で見学できる。南丘は墓道がみつかっているため、横穴式石室があることは分かっているが調査はしてない。現地では、南丘の墳丘法面の墓道が検出された場所が分かるように表示している。近つ飛鳥博物館に北丘石室内にある石棺の実物大模型を展示している。

手前が南丘(3段築成)で奥が北丘(2段築成)

 

北丘横穴式石室内部(家形石棺が2基縦列しており、手前は羨道に置かれている)

 


大阪府立近つ飛鳥博物館|河南町

 世界遺産である百舌鳥・古市古墳群に代表される大阪の古墳を知るためには必ず訪れるべき施設。見ごたえ充分で古墳好きには堪らない。重要な遺物に関しては丁寧に解説し、今までの大阪での現地講座の復習にしようと思う。月曜休館。9:45~17:00(16:30)。

建物は安藤忠雄氏の設計
 

 

160
心合寺山(しおんじやま)古墳|八尾市

 5世紀前半に築造された墳丘長160mの大型前方後円墳。3段築成で西側にのみ造出を備え、葺石と埴輪を備えていた。後円部墳頂からは、粘土槨を3基検出。前方部には方形檀が構築されていた。
 墳丘は綺麗に整備されおり、気軽に大型前方後円墳を体感できる。古墳学習館が休館の日は墳丘に立ち入れない。

 

前方部方形檀

 

後円部主体部表示

 

後円部から前方部を見る

 

大阪城天守

 


八尾市立しおんじやま古墳学習館|八尾市

 心合寺山古墳について詳しく解説した施設。子供でも分かるように易しく丁寧な展示解説がされている。学芸員の熱意を感じる。火曜休館。9:00~17:00。

 
 

 


八尾市立歴史民俗資料館|八尾市

 八尾市内の遺跡から出土した遺物を展示。火曜休館。9:00~17:00。

 

130
松岳山(まつおかやま)古墳|柏原市

 墳丘長130mを誇る前期の前方後円墳で、大和川を河内方面から遡上してくると、平野が終わる狭隘な地形の左岸側の丘の上に前方部を下流方面に向けてその威容を示すように築造されている。後円部墳頂には、長大な組合式長持形石棺が露出しており迫力がある。また、墳頂には板石が多数散乱しており、おそらく竪穴式石室の壁や天井に使用した石と思われ、石棺の短辺両側には穴の開けられた板石が立てられているが、いつ誰が立てたのか不明で謎。

 


高井田横穴群|柏原市

 6世紀中頃から7世紀初めにかけて造営された横穴墓群で、総数は200基を超えると考えられている。
 ※見学する箇所はそれらの中の一部。

 


柏原市立歴史資料館|柏原市

 柏原市内の遺跡から出土した考古遺物を展示。松岳山古墳から出土した可愛らしい形の楕円筒埴輪も展示している。月曜休館。9:30~17:00。

 
右手に2つあるのが可愛らしい形の楕円筒埴輪

 


石宝殿古墳|寝屋川市

 終末期に築造された古墳で、八角墳の可能性が高い。封土はなく、横口式石槨が露出している。見事な造りであるので石や石室が好きな方には特に見て欲しい。古くから開口しており、副葬品などの遺物は見つかっていない。

 


寝屋川市立埋蔵文化財資料館|寝屋川市

 寝屋川市内の遺跡から出土した考古遺物を展示。私たちが訪れるときは、企画展 「縄文時代体感!―讃良川遺跡出土の遺物をとおして―」が開催されている(2025年7月20日まで)。

 
 

 


関西大学博物館|吹田市

 今回訪れる国府遺跡から出土した遺物のほか、奈良県天理市渋谷出土の石枕(景行天皇陵出土説あり)など、合計16点の重要文化財を展示している。また、高松塚古墳壁画再現展示室もある。日祝休館。10:00~16:00。

 

補足:探訪検討箇所

 以下の箇所は探訪確定箇所ではありません。

 


大阪大学総合博物館

 


富田林市埋蔵文化財センター

 


東大阪市立埋蔵文化財センターの出張展示(開催している場合)

 


大阪市立自然史博物館

 

 

参加費

2名様の場合、お一人様55,000円
3~5名様の場合、お一人様50,000円

 

キャンセル料と発生時期

キャンセル料は、開催一か月前に発生し、27,500円となります。
※前日・当日のキャンセル料は、55,000円となります。

 

催行人員

最少は2名様、最大は5名様。

 

参加予定メンバー(10月9日現在)

・MTさん
・勝衛さん

以上、男性2名様(残席3名様)。

 

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