
2023年11月3日~5日に催行した紀伊と和泉の現地講座を再設定します。
日程を変更しました(11月30日追記)
講座概要
和泉と紀伊をめぐります。和泉には有名な百舌鳥古墳群がありますが、それ以外にも200m級の古墳が複数あり、今回は百舌鳥古墳群以外の古墳をめぐります。紀伊に関しては、紀ノ川流域に主要な遺跡が集中しており、それらをじっくりめぐります。紀ノ川上流は、ヤマト王権の本拠地である奈良盆地ですから、紀ノ川を王権の主要な交通路として見ながらめぐりましょう。
古代史を探る上では、吉備や出雲も重要ですが、それと同じくらい紀伊も重要です。
※本現地講座は自動車を使用します。
本講座のテーマ
AICTの掲げるテーマの内、本講座は主として「◎」に該当します。
旧石器時代 | 日本人のルーツと列島文化の始まりを探る | |
縄文時代 | 土器と土偶を楽しもう・列島各地の多様な縄文文化に触れる | |
◎ | 弥生時代 | 列島各地における国ぐにの発生と邪馬台国の謎を追う |
◎ | 古墳~飛鳥時代 | リアル日本書紀・ヤマト王権の確立と古代国家成立への軌跡を探る |
◎ | 古墳~飛鳥時代 | 列島各地の古墳をめぐろう・諸国古墳探訪 和泉・紀伊編 |
奈良~平安 | リアル続日本紀・列島各地に残る律令国家を見る |
開催日
2024年1月26日(金)~28日(日) → 1月19日(金)~21日(日)(11月30日追記)
集合場所と出発時刻
オリックスレンタカー 新大阪店 10時出発
大阪市淀川区宮原1-19-17 06-6399-0543
店のサイトには、「JR新大阪駅西口出て右へ徒歩7分。市営地下鉄御堂筋線東三国駅4番出口より徒歩4分」とあります。
実際的には、西口から外に出てしまえばそこから一直線で近いですが、新幹線を降りてから西口に出るまではちょっと迷うかもしれないので注意してください。
店のサイトはこちら。
宿泊場所
JR「和歌山」駅あるいは、南海「和歌山市」駅の近くでお取りください(2泊ともです)
※和歌山ラーメンを始めとして飲食店が多いのはJRの方です。
解散場所と帰着時刻
新大阪に18時30分までに戻る予定です。
ただし、新大阪駅到着が遅れた時のことを考えて、新幹線の指定券を買う方は、できれば当日乗る前に買うようにしていただくと安全かと思います。あるいは、あらかじめ買うとしても遅い時間にしておけば無難かと思います。
探訪箇所
前回やったときの探訪箇所を踏襲するつもりですが、伊太祁曽神社と神社の古墳は、たまたま神社で盛大なお祭りをやっていて凄い人出で、車にて寄り付くことができず探訪できませんでした。また、紀伊国分寺と紀の川市歴史民俗資料館は割愛する方向で考えていますが、国分寺マニアの方が参加すれば探訪します。
【1日目】

池上曽根遺跡|大阪府和泉市
大阪府のみならず畿内を代表する弥生遺跡といっても良い有名な遺跡。
中期頃の環濠集落で、当時の大阪湾から2㎞の距離です。今の地図を見ても明らかに埋め立て地と分かる場所を取り除けば、大体の海岸線が想像できると思います。木製品や植物遺存体などが多く検出されたのが特徴の一つですが、それは地下水位が高いためです。


大阪府立弥生文化博物館|大阪府和泉市
弥生時代について学ぶにはうってつけの博物館。全国各地で出土した弥生時代の有名な遺物のレプリカが並んでおり、日本中の弥生時代の様相が居ながらにして理解できます。
卑弥呼に会える!?




200
摩湯山古墳|大阪府岸和田市
4世紀後半の前方後円墳。墳丘長200mは、前期古墳としては大和以外では最大級だが、本格的な調査はされておらず詳細不明。墳丘は立入禁止。

130
久米田貝吹山古墳|大阪府岸和田市
4世紀中ごろの築造。埴輪あり。周辺の池は周濠のあとといわれている。
地元では、橘諸兄(たちばなのもろえ)の墓との伝えがある。諸兄は聖武天皇の天平9年(737)に天然痘の流行で藤原四兄弟をはじめとして多くの閣僚が没した後に知太政官事・鈴鹿王とともに政権を運営。死後、子の奈良麻呂が変を起こす。また、近くの久米田寺には光明皇后の墓と言われる古墳がある。もちろん、諸兄も光明皇后もこの地には眠っていない。
永禄5年(1562)3月、三好軍と畠山・六角軍が戦い(久米田の戦い)、貝吹山古墳には、三好実休が布陣し討死。一存についで実休が死に、弟二人をなくしたことは長慶にとって痛手であった。

71
風吹山古墳|大阪府岸和田市
5世紀初頭の築造。帆立貝形で今見られる南東側の方丘意外に、南西側に造出がある。
当初は造出付きの円墳として造られのちに帆立貝形に改築された「リニューアル墳」。埴輪・葺石あり。2基の埋葬施設は発掘調査され多数の副葬品あり。

26
無名塚古墳|大阪府岸和田市
貝吹山古墳や風吹山古墳に隣接した円墳で、見つかった埴輪は風吹山古墳とほぼ同時期。

72
貝塚丸山古墳|大阪府貝塚市
3段築成。埴輪あり。住宅に完全包囲されながらも見事な墳丘が残る。天正13年(1585)の秀吉の紀州攻めで秀吉が本陣を置き、橋本の積善寺城を攻めたとの伝承あり。

180
宇土墓古墳(淡輪<たんのわ>ニサンザイ古墳)|大阪府岬町
垂仁天皇皇子五十瓊敷入彦宇度墓。五十瓊敷入彦命(いにしきいりひこのみこと)は、景行天皇の同母兄。剣1千口を作り石上神宮に納、石上神宮の神宝を管掌。
くびれ部両側に造出。陪塚は6~7基。陵墓のため墳丘には入れない。

50
西小山古墳|大阪府岬町
5世紀中葉の築造。金銅装眉庇付冑が出土。他の出土例は、仁徳天皇陵前方部、大阪府北天平塚古墳、奈良県五条猫塚古墳、三重県佐久米古墳、福岡県月岡古墳、千葉県祇園山古墳などがあるが非常に珍しい。

ちなみに金銅装眉庇付冑というのはこんな感じの冑ですが、下のは仁徳天皇陵前方部出土のレプリカです。

210
西陵古墳|大阪府岬町
5世紀前半の築造。西側くびれ部に造出。埴輪・葺石あり。
埴輪は淡輪技法。凝灰岩製の長持形石棺。陪塚は 2基。
紀小弓(きのおゆみ)の墓と伝わる。小弓は雄略朝にて新羅に渡り戦い死亡。妻の吉備上道采女大海(きびのかみつみちのうねめおおしあま)は、夫の埋葬地について大伴室屋に相談し、天皇は、紀氏と大伴氏の領域の接点である田身輪邑(たむわのむら)に造らせ、大海は 6 人の家人を室屋に贈った。

【2日目】

隅田八幡神社|和歌山県橋本市
古代史を考える上で非常に重要な国宝の「人物画象鏡」を所蔵(ただし、東京国立博物館に寄託)。
銘文の解釈は様々で、癸未年は、443年か 503年と考えるのが一般的。男弟王を継体天皇とし、意柴沙加宮を継体の忍坂宮とする説などある。



隅田八幡宮古墳|和歌山県橋本市
隅田八幡神社の近くにある古墳で、石室が開口しており、コンディションが良ければ見事な切石積みの石室を見ることができます。
※整備はされておらず、藪漕ぎして見に行かないとならないので場合によっては割愛させていただきます。



丹生都比売(にうつひめ)神社|和歌山県かつらぎ町
式内社。紀伊国一宮。
祭神の丹生都比売大神は、天照大神の妹神とされているようですが、「丹」がついていることから、近辺で朱が採れたはず。神社のHPには、「丹生都比売大神は、この地に本拠を置く日本全国の朱砂を支配する一族の祀る女神とされています」とあり、全国には丹生神社が88社、丹生都比売大神を祀る神社が108社あり、摂末社を入れると180社余を数え、その総本社です。


紀伊風土記の丘資料館|和歌山県和歌山市
素晴らしい遺物が大集合しており、とくに埴輪に関しては珍しいものも展示してあって面白い。
大日山35号墳の造出で見つかった翼を広げた鳥形埴輪は他で見たことがないし、頭部の両側に顔がある「両面宿儺(りょうめんすくな)」(仁徳紀に登場する飛騨の英雄)のような埴輪も類例がない。牛形埴輪も全国で 10 例ほどしか見つかっていない。






岩橋千塚(いわせせんづか)古墳群|和歌山県和歌山市
「いわせせんづか」と読む。850~900基ほどの古墳から構成される群集墳。5世紀から築造が開始され、6世紀初頭からは爆発的に造営が始まり、7世紀後半まで造り続けられる。岩橋千塚古墳群の場合は、群集墳内に首長墓が含まれるタイプ。岩橋型横穴式石室と呼ばれる独特な石室が見られる。





【3日目】

御坊市歴史民俗資料館|御坊市
月・水・金曜休館。岩内1号墳・3号墳から出土した遺物などが展示されています。



尾ノ崎遺跡|御坊市
弥生時代末~古墳時代初頭の住居跡などが見つかっている複合遺跡。とくに古墳時代前期の11基の方形周溝墓が復元整備されており、ホーケーシューコーバー(方形周溝墓er)必見。

海のそばです。

19
岩内1号墳|御坊市
県内でも数少ない終末期古墳のひとつ。森浩一は、有間皇子(ありまのみこ)の墓ではないかとしている。
有間皇子は、孝徳天皇の皇子で、19歳のとき謀反の罪で処刑されたが、それは従兄弟の中大兄皇子(天智天皇)からライバル視されたことによる陰謀との説もある。


28
岩内3号墳|御坊市
中期前半の築造で、幅約5mの周溝がめぐる。主体部には2基の割竹式木棺。


伊太祁曽神社|和歌山県和歌山市
主祭神は、五十猛命(いたけるのみこと=スサノオの子)。紀伊国一宮。
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伊太祁曽神社1号墳|和歌山県和歌山市
岩橋型横穴式石室が構築されています。石室内には入ることはできないようですが、中を覗けるようです。周囲には2号墳と3号墳もあります。

武内神社(安原八幡宮奥宮)|和歌山県和歌山市
「武内宿禰誕生井」があり、宿禰の長寿にあやかって紀州徳川家が産湯として使いました。
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安原八幡神社|和歌山県和歌山市
功皇后の凱旋の際、安原の津田浦に上陸し、この地に頓宮を建てたとされます。


竈山神社|和歌山県和歌山市
神武天皇の長兄・彦五瀬命(ひこいつせのみこと)を祀る神社。日本書紀によると、彦五瀬命は、長髄彦との戦いで負った矢傷が悪化して竈山で亡くなり竈山墓に葬られた。


彦五瀬命竃山墓(ひこいつせのみことかまやまのはか)|和歌山県和歌山市
竈山神社の本殿後背にある古墳。宮内庁管理の陵墓です。


日前(ひのくま)神宮・國懸(くにかかす)神宮|和歌山県和歌山市
同所に2つの神社がある。日前神宮は日前大神を祭り御神体は日像鏡(ひがたのかがみ)、國懸神宮は國懸大神を祀り御神体は日矛鏡(ひぼこのかがみ)。延喜式内社で紀伊国一宮。紀伊国造ゆかりの神社で、両社は伊勢神宮と並んで全国に3社しかない神階の無い神社。正一位を超越しているのです。



和歌山市立博物館|和歌山県和歌山市
和歌山市内の遺跡から出土した遺物を展示しており、車駕之古址(しゃかのこし)古墳出土の勾玉形金製品(舶載品)を所蔵しています。


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車駕之古址古墳|和歌山県和歌山市
国内で初めて古墳時代の勾玉形金製品(金製勾玉)が出土しました。淡輪技法の埴輪も出土しています。

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釜山古墳|和歌山県和歌山市
車駕之古址古墳のすぐ近くにあるので行きます。

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大谷古墳|和歌山県和歌山市
有名な馬冑(馬が被るヘルメット)が出土した古墳です。



鳴滝遺跡|和歌山県和歌山市
古墳時代中期の5世紀前半に建てられた7棟の大型建物跡が検出された遺跡で、倉庫群と考えられます。紀ノ川河口に位置し、また規模が大きいことから、ヤマト王権の港湾施設や出先機関の可能性があります。現地で見られるものは特にありませんが、有力氏族・紀氏の謎を解くうえでも重要な遺跡であるため、現地の地形や光景を見ておくことは大事でしょう。
参加費
2名様以上で催行します。
2名様のご参加の場合、一人様60,000円。
3~5名様ご参加の場合は、お一人様55,000円。
キャンセル料と発生時期
キャンセル料発生日は、開催1ヶ月の12月26日で、30,000円とさせていただきます。
※前日・当日のキャンセル料は、55,000円となります。
催行人員
最少は2名様、最大は5名様
参加予定メンバー(11月30日現在)
・猫さん
・勝衛さん
以上、女性1名様、男性1名様(残席3名様)
※ニックネームを教えていただいた方のみ掲示します。
参加申し込み
以下のフォームからお問い合わせ、あるいはお申込みをください。
また、本ページのコメント欄からでも、すでに稲用のメールアドレスや電話番号をご存じの方は、そちらからでも構いません。