
講座概要
※7/21~23に催行した現地講座の再設定です。内容はほぼ一緒になります。
伊賀と伊勢は今では三重県として一つになっていますが、古代においては畿内の文化が及びやすかった伊賀に対して、伊勢は東海地方の文化圏です。古墳や遺物を観察して、その違いを楽しみましょう。
日本書紀や記録類によると、垂仁天皇のときに、倭姫が天照大神を奉じて伊賀・近江・美濃をめぐり、最終的に伊勢神宮(内宮)に祀ったとされていますが、それは壬申の乱での天武天皇の進軍ルートと重なることから、倭姫のたどったルートは壬申の乱の際に天武天皇がたどったルートが元になって創作されたものであるとの説があります。実際のところはどうだったのか、現地を訪れて考えてみてください。また、北伊勢は日本武尊伝承のメッカです。倭姫の甥にあたる日本武尊について伝承される神社や古墳も何か所か訪れます。
倭姫の奉斎ルートと同様、本現地講座のゴールも伊勢神宮です。伊勢神宮とはいったいどのような歴史を秘めた神社なのかは行程の途中で追々解説します。ただし、伊勢神宮の参拝には最低限の時間しか確保できないため、伊勢神宮をタップリと楽しみたいと思っている方は、あらかじめご了承ください。
古墳に関しては、三重県の大きさ1位から5位までの古墳をすべて訪れます。
※本現地講座は自動車での探訪となります
本講座のテーマ
AICTの掲げるテーマの内、本講座は主として「◎」に該当します。
旧石器時代 | 日本人のルーツと列島文化の始まりを探る | |
◎ | 縄文時代 | 土器と土偶を楽しもう・列島各地の多様な縄文文化に触れる |
弥生時代 | 列島各地における国ぐにの発生と邪馬台国の謎を追う | |
◎ | 古墳~飛鳥時代 | リアル日本書紀・ヤマト王権の確立と古代国家成立への軌跡を探る |
◎ | 古墳~飛鳥時代 | 列島各地の古墳をめぐろう・諸国古墳探訪 伊賀・伊勢編 |
奈良~平安 | リアル続日本紀・列島各地に残る律令国家を見る |
開催日
10月7日(土)~9日(月・祝)
集合場所と出発時刻(9月19日追記)
オリックスレンタカー 名古屋新幹線口店 9:30出発
JR名古屋駅太閤通口を出て、北方向。
お店のサイトには、徒歩6分と記していますが、もう少しかかると思います。
駅から少し遠いですが、よろしくお願いいたします。
住所:名古屋市中村区亀島2-12-11
電話番号:052-459-0543
お店のサイトはこちらです。
宿泊場所
1泊目 名張駅近く
※名張駅の近くにはあまりホテルが無いため、予約したホテルが駅から離れている場合は車で送迎します。「ルートイン名張」が無難ですが、もっと安いホテルが良ければお勧めがあるのでご紹介します。
2泊目 松阪駅近く
※松阪と言えば松阪牛ですが、駅周辺には多くの焼肉・ホルモンの店があります。焼肉を食べに行きますので、興味があれば一緒に行きましょう。
解散場所と帰着時刻(9月19日追記)
名古屋駅に18:30までには戻ってくる予定です。ただし、名古屋駅まで戻る途中の高速道路では、亀山ジャンクション辺りが悪名高きボトルネックになっており、多少遅れる可能性があります。東海道新幹線は本数が多いため、名古屋に着いた時点で切符を買っていただければ問題はないですが、決まった時間に帰りたい方は、最後の探訪箇所は伊勢神宮ですから、伊勢市駅で離団されるとが無難だと思います。
なお、伊勢市駅から電車で帰る場合は、下記の「しまかぜ」以外にも、JR快速みえ22号が、伊勢市17:00発で、名古屋18:46着です。あるいは、近鉄急行の場合は、伊勢市16:56発で、名古屋18:44着です。近鉄の場合は、他に有料特急もあります。大阪方面にお帰りの方は、16:56発の近鉄急行に乗車し、途中伊勢中川で乗り換えれば、鶴橋に19:03に着きます(ダイヤは変更になることがありますので、ご自身できちんとご確認ください)。
しまかぜで帰る場合
「しまかぜ」に乗車する場合、伊勢市16:25発・名古屋17:44着と伊勢市16:43発・大阪難波18:21着があります。

稲用も乗って帰りたいですが、レンタカーを返しに行かないとなりませんので乗れません(涙)。
探訪箇所
本当は倭姫の元伊勢伝承を大和から順番に追っていければいいのですが、本現地講座では行程の都合上、順序が入れ替わり、またすべての伝承地を訪れることはできません。以下に示した場所以外にも増える予定で、探訪順はこの順ではありません。
※探訪地はすべて三重県内です。
【伊賀国】

都美恵(つみえ)神社|伊賀市
倭姫の阿閉柘植宮跡の伝承地です。つまりは、元伊勢といわれる神社です。倭姫はここに滞在した後、伊勢方面へは向かわず、近江の甲賀方面へと山を越えました。
都美恵神社がある場所は、木津川支流の柘植川の最上流域で、近くには目立った古墳はありませんが、8kmほど下流へ行くと、伊賀国最大(東海地方最大)の前方後円墳・御墓山古墳があります。
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神戸(かんべ)神社|伊賀市
倭姫の伊賀穴穂宮跡の伝承地です。本殿は、伊勢神宮の式年遷宮の際に古材を譲られ遷宮することを恒例としています。
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180
御墓山古墳|伊賀市
墳丘長180mを誇る三重県最大の前方後円墳。


伊賀国庁跡|伊賀市
御墓山古墳のすぐ近くには伊賀国府がありました。そのことから、古墳時代のみならず、律令時代もこの地が伊賀の中心であったことが分かります。伊賀の中心地はどのような地形になっているのか、現地でご確認ください。
※時間によっては割愛させていただきます。

121
石山古墳|伊賀市
三重県で3番目に大きい古墳ですが、墳丘内には入れず、近くまで行くだけです

石山古墳についての展示は、探訪予定の城之越学習館にあります。

また、出土した靭形埴輪をはじめとした素晴らしい埴輪は、京都大学総合博物館での埴輪展示の主役になっています。当該博物館には今回の現地講座では行きませんが、まだ行ったことが無い方はぜひ行ってみてください。


城之越遺跡|伊賀市
古墳時代の4世紀後半から5世紀を盛期として「水辺の祭祀」が行われた形跡が分かった貴重な遺跡。入口近くには建物跡の柱列表示があり、奥には祭祀場の跡が復元されています。現在でも湧水が豊富な場所ですが、当時の支配者は、こういった湧水が豊富な場所などで水に対するお祀りをして、支配下の農民たちに水を配っていたのです。それを水分(みくまり)といいます。



城之越学習館|伊賀市
城之越遺跡以外にも古墳についての展示解説があります。


142
馬塚古墳|名張市
美旗古墳群を構成する一基で、三重県で2番目に大きい墳丘長142mの前方後円墳です。

100
女良塚古墳|名張市
帆立貝形なのに100mもある古墳で、おそらく帆立貝形としては、全国で4位になるんじゃないかと思います。三重県の全古墳の中では5位。ただし、墳丘はフェンスで囲まれているため、外から観察するに留めます。

55
貴人塚古墳|名張市
後期の前方後円墳。墳丘は多少モシャ子ちゃんかもしれませんが登れると思います。


名張市美旗市民センター歴史資料館|名張市
名張には別に郷土資料館がありますが、こちらもミニ郷土資料館と言った感じです。第3日曜日休館。



名張市郷土資料館|名張市
縄文・弥生・古墳時代の名張市の遺跡から出た遺物が展示してあります。基本、月・木休館。


参考:壬申の乱と伊賀国
日本書紀によると、672年6月24日に吉野を出発した大海皇子一行は、夜になっても進軍を止めず、夜半に大和国から国境を越え、伊賀国の隠(なばり)駅家に到着しました。隠駅家の場所は分かっていません。
吉野に隠棲していたときの大海皇子の宮は、吉野町の宮滝遺跡の可能性がありますが、そこから大和と伊賀との国境まで直線距離で27㎞あり、実際の行程はそれよりもかなり多くなりますから、1日で相当な距離を移動したことになります。
つづいて、横川、伊賀駅家を経ますが、これらの比定地も不明です。伊賀の山中に至ったところ、郡司たちが兵を率いて加勢に現れ、ようやくにして大海皇子の一行は軍隊の体裁が整いました。
その後も休む間もなく進み続け、明け方にタラノに着き、ここで吉野を出発以来、初めての食事を兼ねた休憩をします。つかの間の休息の後、再び進みだした一行は、積植(つむえ・現在の柘植)の山口で高市皇子率いる軍勢と合流しました。大海皇子には多くの男子がいましたが、幼い子が多く、唯一長男の高市皇子だけが一軍を率いる将として期待できる子です。積植の山口では、国道25号線に説明板が立っています。
【伊勢国】

鈴鹿市考古博物館|鈴鹿市
鈴鹿市内の遺跡から出土した考古遺物を展示しています。旧石器・縄文・弥生・古墳・律令とありますので、伊勢国の考古遺物の特徴を掴みましょう。基本、月休館。



伊勢国分寺跡|鈴鹿市
3年ほど前に整備が一段落して綺麗な状態の国分寺跡が見られますよ。


加佐登(かさど)神社|鈴鹿市
主祭神は日本武尊です。
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78
白鳥塚古墳|鈴鹿市
宮内庁が治定している日本武尊の陵墓は能褒野王塚古墳ですが、この古墳も墓説があり、森浩一はこの古墳の方が伝承墓としては可能性が高いと述べています。


忍山(おしやま)神社|鈴鹿市
東京湾で入水した弟橘媛の実家にして、倭姫の河曲鈴鹿小山宮跡の伝承地です。延喜式内社。
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90
能褒野王塚古墳|亀山市
日本武尊の3つある古墳の内の一つ。日本武尊は最初ここに埋葬されましたが、白鳥になって飛んで行ってしまいました。棺には衣類だけが残されていましたが、衣類を残して遺体がなくなるのは、実は死んでいないということを示唆しているという考えもあります。陵墓ですので、外から見るだけです。

111
宝塚1号墳|松阪市
日本一の大きさの舟形埴輪が出土した大型前方後円墳で、綺麗に整備されています。古墳の大きさとしては、三重県で4番目で、伊勢では最大です。

墳丘からは素晴らしい眺望が望め、コンディションが良ければ伊勢湾も見えます。

現地では舟形埴輪が出土した位置も分かるように模造品が置かれています。

89
宝塚2号墳|松阪市
墳丘長89mの大型の帆立貝形古墳。


松阪市文化財センター はにわ館|松阪市
宝塚1号墳から出土した有名な日本一の舟形埴輪が見られるほか、各種埴輪について詳しく説明している施設です。基本、月曜休館。



坂本古墳群|明和町


斎宮跡|明和町
いつきのみやあと。天皇家から派遣されてきた斎王が住んだ宮殿跡と斎宮寮という役所の遺構が見つかっています。


三重県立斎宮歴史博物館|明和町
斎宮を特に詳しく解説した博物館で、考古遺物としては平安時代以降のものが中心です。基本、月曜休館。



豊受大神宮(伊勢神宮外宮)|伊勢市
正宮、多賀宮、土宮、風宮を参拝します。


皇大神宮(伊勢神宮内宮)|伊勢市
五十鈴川にて清めた後、正宮、荒祭宮、風日祈宮を参拝しますが、もし時間があれば多少範囲を広げて歩きます。

参加費
48,000円
キャンセル料と発生時期
キャンセル料は、開催1ヶ月前の9月7日に発生し、24,000円となります。
催行人員
最少は2名様、最大は5名様
参加予定メンバー(8月28日現在)
・葉っぱさん
・勝衛さん
・笠原さん
以上、女性2名様、男性1名様
三重のコース参加します。よろしくお願いします。
井上ナホミさん
参加申し込みありがとうございます。
よろしくお願いいたします。