ひなたどうくつ |
山形県高畠町竹森 |
縄文時代草創期ほか |
洞窟の前に駐車スペースはあるがコンパクト以下の車で来た方が無難 |
まだ16時になっていませんが、意外と照度が低くなってきました。
北に来ていますから東京よりも日暮れが早いわけですが、まだ9月半ばなので大丈夫だろうと思っていたところ、想定よりも進行が早いです。今日はあと1か所でやめておきます。
ということで、本日最後の探訪地は日向洞窟です。
おー、開いてますよー。
説明板を読んでみましょう。
日向洞窟は、4か所の洞窟あるいは岩陰から構成されています。山形県立博物館のパネル展示を見てみましょう。
最古の遺物としては、現地説明板に記されている通り、繩文時代草創期の隆起線文土器が出ています。
ここでは約1万年前と説明されていますが、隆起線文土器は、最初の土器である無文土器のつぎに出てくるもので、この遺跡はもしかすると1万4000年前くらいまで遡るかもしれません。
遺物を目で見ていないので無責任な発言ですが、正確な年代は分からないとしても、旧石器時代が終わって縄文時代草創期になって少し経った頃にはこの場所に人が住んでいたわけです。
洞窟って住みやすいのでしょう。
でも、さきほど大雨が降ったためか、入口はぬかるんでいる場所もあります。
現在はかなり埋もれているわけですが、ここに人が住んでいた時代、外から水が流れ込んでこなかったのか気になります。
山形県立博物館には、日向洞窟のジオラマがありますよ。
お父さんが狩りを終えて帰宅して、それをお母さんと子供が出迎えています。
お母さんは夕飯の支度をしています。お湯はすでに沸騰しており、すぐに猪を解体して鍋に投入しちゃいましょう。
いかにも現代のサラリーマンの家庭を当時に投影した設定ですが、子供はスッポンポンだし、お母さんもおっぱい出しちゃっているので、これでは「はじめ人間ギャートルズ」です。縄文時代なのですから、もうちょっと服を着せてあげた方がいいと思います。
でも、こういうジオラマは好きですよ。とくに現地に行ったことがあると、ジオラマを見た際に感動を得られますので、私は現地講座の行程を考える際も、なるべく博物館と現地の両方が見学できるように心がけています。
現地では、説明板がもう1基設置されています。
左下の地図は見えないと思いますが、そこにも書いてある通り、何とこの周辺には国史跡の洞窟遺跡が他に3つもあるのです。すなわち、大立洞窟、火箱岩洞窟、一の沢洞窟です。地域全体としては、尼子洞窟群、観音岩洞窟群など14地点に洞窟遺跡群があり、国内最大級の洞窟遺跡密集地帯を形成しています。
今日は無理ですが、コンディションの良い日にじっくり洞窟めぐりをしてみたいものです。
ちなみに、草創期の洞窟遺跡としては、新潟県の小瀬ヶ沢洞窟や愛媛県久万高原町の上黒岩遺跡も有名で、上黒岩遺跡からは線刻が施された石が見つかっており、佐倉の国立歴史民俗博物館に展示してあります。
また、長崎県佐世保市の福井洞窟も有名ですが、こちらは旧石器時代まで遡ります。
洞窟遺跡も面白いのだよ。
さて、以上で本日の探訪は終りです。宿泊地の山形へ向かいましょう。
* * *
山形駅の近くで飲むのは実に25年振りです。
地方都市の居酒屋は、予約していないと入れないことが意外と多いのですが、案の定、2軒断られました。でも、「えきでん」という小さな居酒屋に入れました。
串焼きがメインのようで、どれも美味しい。
メニューに「室蘭焼き」という変わったものがあったので、どういうものか店員さんに聞いてみたところ、店によって内容は異なるそうですが、ここではウズラの卵だそうです。しかもそのまま焼いて殻ごと食べるというのです。
珍しいので食べてみましたが、美味しかった。
室蘭に行って食べて帰ってきた人がいて、名前が分からないため「室蘭焼き」と呼ぶようになったそうですよ。
久しぶりの山形で美味しい飲み屋に入れてよかった。
また山形に来たら寄りたい。
清水前古墳群