確かにこれは珍しい
2023年10月5日号
中野区立歴史民俗資料館は、最近リニューアルし、とても綺麗で見やすい展示だ。
常設展示室のスペースの都合もあって、古い時代の考古遺物をたくさん展示することはできないことは想像できる。そのためか、石器や土器などは選りすぐりの優品を展示している。
その中で特に目を引いたのが、北江古田遺跡で出土した縄文時代中期の加曽利E式の浅鉢だ。
この3点はどても優品だが、右手の浅鉢が問題の土器で、「タガのついた土器」と説明されている。
タガというと、「タガが外れた」のタガだよな。いったいどういうことだろうか。
確かに、口縁部の下に何かを巻き付けているようだ。
結局これだけでは分からないので、ググって見たら「文化遺産オンライン」に載っていて、これは桜皮のタガだそうだ。
いやー、面白いねえ。
しかもこの土器は、全体を赤漆で塗っていて、造りも丁寧なので、特別な土器だったことが分かる。
すごく良いものなので、ぜひ、実際のモノを中野区立歴史民俗資料館に見に行って欲しい。
※中野区立歴史民俗資料館のサイトはこちら。
有機質のものは残らないことが多いため、実はこのように土器に植物性のパーツをくっつけるということは当時は結構行われていたのかもしれない。
埴輪だって、私たちが普段の展示で見るああいうものが古墳に置かれていたわけではなく、焼き物の本体に木製品や布製品をアドオンしたものがあった可能性が指摘されている。
まだまだ分からないことだらけだ。
※本記事で紹介した遺物が現時点で展示されているとは限りませんので、その点はご了承ください。
形のきれいな土器ですね。「たが」に桜皮?樹皮ですよね、気になって調べてみたら、樹皮を横にはがすようです。縄文の人たちは樹皮に細工して物つくりもしたのでしょうか。古代の人も桜は美しいと思ってみあげたのでしょうかね、、、なんて
古代に思いをはせてしまいました。
まだらさん
縄文人は器用に様々なものを作っており、植物の利用にも長けていました。
桜に関しては、私たちが想像するような桜とは違うのじゃないかと思いますが、縄文時代を調べていて桜が出てきたことが今までなかったので、実は今の段階では私も何とも言えないです。
現代の私たちは人工的な色合いに慣れていますが、縄文時代は自然の色合いしかありませんから、綺麗な色の花を見つけたら現代人よりもその美しさに敏感だったのではないかと思います。