浅野幸長陣跡・垂井一里塚|岐阜県垂井町

日守の茶所

 春王・安王の墓に詣でて念願叶った気持ちですが、もう12時です。お腹が空いています。相変わらず、飲食店は現れません。

 そろそろ垂井の一里塚ですが、前方の地形が少し高くなっていますよ。

 一里塚は、少し高くなった場所に設けるケースも多いです。

 古風な建物があって、説明板も立っています。

 岩手って書いてあるので遠くてビックリしたのですが、この近くに岩手という地名があります。

 詳しい説明のお陰で良くわかりました。

 


垂井一里塚

 垂井一里塚の説明もあります。

 あ、隣に一里塚があった。

 というか、ここは浅野幸長の陣跡でもあったんですね。

 仕事ではなくて今日みたいに一人でめぐるときは、下調べをしないで来ることが多いため、こうやって現地に来て初めて知ることもあります。

 この方が喜びが倍増するので、どこかへ出かけるときは、予備調査はあまりしないことをお勧めします。

 泊まる宿の予約くらいはしておいた方がいいですが、あとは適当。それが旅を楽しむ秘訣です。

 しかし、改めて思うのは一里塚ってよいシステムですね。

 江戸期の一里は大体4㎞ですが、これは日本陸軍の通常の行軍速度である4㎞/hで歩けば、1時間で到達できる距離です。1時間歩いたら一里塚で15分くらい休んで、そこで水分補給をしつつ出会った人と話したりしたら楽しそうです。

 一里塚で出会った人と意気投合したら、そのまま何里か喋りながら歩くこともあったでしょう。喋りながら歩けば、知らないうちに長距離を歩けたりします。当時も今も、知らない人と話すというのは、知らないことを知る勉強のチャンスでもあります。

 一日で一里塚を5つクリアできれば20㎞ですが、江戸期の人は現代人よりも沢山歩いたとしても、現代人にはちょうどよい距離です。旅行会社の街道歩きのツアーが盛況なのも良くわかります。

 江戸期に造られた一里塚はすでに湮滅しているものが多く、元々あった場所も分からなくなっていることが多いですが、改めて標柱だけでも良いので日本中整備したら楽しそうです。

 


浅野幸長陣跡

 上の説明板にも記されていますが、家康は南宮山の抑えとして、先ほど訪れた春王・安王の墓の辺りに池田輝政を置き、この場所には浅野幸長(よしなが)を置きました。

 南宮山の麓にいる吉川広家は事前に家康と密約を交わしており、南宮山にいる毛利秀元を封じ込めておいてくれることになっていましたが、万が一ということもあるため、家康は幸長と輝政を配置しました。両者とも福島正則みたいな極めて戦闘力に偏った武将ではなく、思慮分別のある武将で守りに強いです。家康は本当に適材適所が上手い。

 幸長の父・長政は、秀吉の側近中の側近のような人物でしたが、関ヶ原の際には父子ともども東軍につきました。幸長は三成嫌いで有名でした。

 一方、輝政は、これ以前に家康の娘・督姫を娶っており、のちに姫路城主になっています。幸長の正妻は輝政の姉妹ですから、二人は義兄弟です。幸長が三成憎さのために突出しそうな感じがしないでもないですが、家康は輝政がそれを抑えてくれると考えたのかもしれません。 

 

 ところで、もし毛利秀元が南宮山を攻め下り、周辺諸将とともに東軍部隊を攻撃し、幸長や輝政の部隊を撃破していたら家康の命は無かったかもしれません。そういう意味で、秀元の動きを封じた吉川広家の功績は非常に大きいのですが、広家は戦後あまり報われていません。

 関ヶ原方面オッケー。

 垂井市街地方面オッケー。

 国道21号線に合流する場所が見えてきました。

 おっと念願の食事処!

 助かった!

 ランチセットとして、好きな麺類と好きなご飯類を組み合わせることができます。台湾ラーメンとキムチチャーハンを頼みました。

 生き返った・・・

 セルフのコーヒーも1杯ついて、非常にリーズナブルです。

 旅先では、私のカメラを見て話しかけてくる方がたまにいるのですが、カウンターに置いておいたカメラを店の奥様が見て「何を撮ってるんですか?」と聴いてきました。

 「遺跡です。今日は赤坂から歩き始めて、この後は関ヶ原まで行きますよ」と答えると、「あらまー、それはご苦労様」と言って、会計時に「疲れたら食べて」と言って、飴玉をいくつか握らせてくれました。

 こういう旅先でのちょっとしたコミュニケーションが楽しいんですよね。

 美味しい食事を食べて元気が戻ったので、再び歩き始めるとします。

 

関連楽曲

『決戦、関ヶ原。』
作詞&作曲:稲用章
Vo:Saki(ボカロ) Gt&Key:稲用章

この日の探訪でインスピレーションを受けて制作した楽曲です。

 

 

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