最終更新日:2024年9月22日
※写真はすべて稲用が撮影しました
※写真はなるべく文様がよく見えるように明るめに補正していますので、実物とは色味が違うことがあります
※展示ケースの反射で余計なものが写り込んでいるものがあります
※今一ピンが甘いものがあります
※撮影禁止のものは写していないつもりですが、万が一掲載不可のものがあったらお知らせください
※型式を始めとして説明文におかしな点がありましたらご教示ください
※紹介した遺物が現在その施設で展示されているとも限らないのでご注意ください
※各写真はクリックで拡大します
田戸(たど)下層式土器の標式遺跡は、神奈川県横須賀市の田戸遺跡です。戦前に命名された田戸式土器が後に下層式と上層式に分離されました。
田戸下層式以降の土器は、埼玉県立歴史と民俗の博物館の展示パネルによると貝殻条痕文土器に分類されます。
田戸下層式の前の三戸式土器の口唇部は水平でしたが、田戸下層式土器からは波状口縁となったり、突起が付くものが現れます。早期土器は尖底が多いですが、田戸下層式には尖るにも程があるような土器があります。尖った先まで容器になっているわけではなく、上げ底になっています。
なお、小林達雄氏は、関東地方の早期土器を古い方から撚糸文系、貝殻沈線文系、条痕文系の3つに分けており、田戸下層式及び上層式は、貝殻沈線文系土器に分類しています。田戸下層式からは、アナダラ属の貝殻の腹縁を使って、鋸歯状文を描くようになるとあります。
沈線は力強いタッチで引かれています。良く見ると、貝殻の腹縁を使って細い線が引かれているものもあります。
キャプション情報
タイトル:深鉢形土器
出土地:千葉県香取市城ノ台貝塚
土器型式:記載なし
東京国立博物館 平成館
2024年6月20日撮影
キャプション情報
タイトル:田戸下層式土器
出土地:千葉県成田市椎ノ木遺跡
土器型式:田戸下層式土器
成田市下総歴史民俗資料館
2024年6月16日撮影
キャプション情報
タイトル:田戸下層式土器
出土地:千葉県成田市椎ノ木遺跡
土器型式:田戸下層式土器
成田市下総歴史民俗資料館
2024年6月16日撮影
胴部中央の斜め方向の太めの沈線が2本を一つの単位として引かれていますが、その間には、貝殻腹縁文が引かれています(細いギザギザの線)。
参考資料
・『縄文土器の研究 普及版』 小林達雄/著