最終更新日:2024年9月23日
※写真はすべて稲用が撮影しました
※写真はなるべく文様がよく見えるように明るめに補正していますので、実物とは色味が違うことがあります
※展示ケースの反射で余計なものが写り込んでいるものがあります
※今一ピンが甘いものがあります
※撮影禁止のものは写していないつもりですが、万が一掲載不可のものがあったらお知らせください
※型式を始めとして説明文におかしな点がありましたらご教示ください
※紹介した遺物が現在その施設で展示されているとも限らないのでご注意ください
※各写真はクリックで拡大します
関山式土器の標式遺跡は、埼玉県蓮田市の関山貝塚です。
縄文時代前期前半の関東の土器は、羽状縄文系土器として一くくりにされることがあります。その名の通り、羽状縄文で文様を付けるからです。羽状縄文で施文する人たちは縄への拘りがすごく、縄の撚り方を工夫して様々な文様を編み出しています。また、関山式からは竹管のような施文具を使用して、沈線で文様を表現するようにもなります。
羽状縄文系土器の製作技法のひとつとして、胎土に繊維を多量にまぜることが特徴の一つとなっています。繊維は土器を焼くと燃えてなくなるため、土器の軽量化に役立っていますが、関東では羽状縄文系土器をもって、胎土に繊維を混ぜることをやめます。
形状の特徴としては、口縁に注ぎ口のようなものを1つ付けるものがあって、関山式片口土器と呼びます。
なお、関東では、前期土器が作られ始めた当初から底部が尖底から平底に移行しますが、北海道や東北、北陸の土器はワンテンポ遅れて、この関山式との併行期に平底に移行します。
参考資料
・『縄文土器の研究 普及版』 小林達雄/著
・『縄文土器ガイドブック』 井口直司/著