九州地方の縄文土器【ひたすら土器写真】

最終更新日:2024年10月14日

※写真はすべて稲用が撮影しました
※写真はなるべく文様がよく見えるように明るめに補正していますので、実物とは色味が違うことがあります
※展示ケースの反射で余計なものが写り込んでいるものがあります
※今一ピンが甘いものがあります
※撮影禁止のものは写していないつもりですが、万が一掲載不可のものがあったらお知らせください
※型式を始めとして説明文におかしな点がありましたらご教示ください
※紹介した遺物が現在その施設で展示されているとも限らないのでご注意ください
※各写真はクリックで拡大します

 九州地方の縄文土器に関しては、あまり手元に写真が無く、自分自身の知識度も拙いため、ひとまず鑑賞することを目的として古い物から羅列します。

 東日本の土器と比べると、遠く離れているのに時期が近いと同じような風合いを感じて不思議だなあと思う土器もあるでしょう。しかしそれとは反対に、なんだこりゃあと思うくらいエキゾティックな違いを感じることもあるでしょう。

 時期を気にしながら、まずは写真を楽しんでください。

 

縄文時代草創期

豆粒(とうりゅう)文土器(レプリカ)

長崎県佐世保市泉福寺洞窟

福井洞窟ミュージアム
2022年5月1日撮影

キャプションには、16,000~15,000年前とある。青森県大平山元Ⅰ遺跡の日本最古の土器は16,500年前と言われているが、さらに遡る見解も出ている。それら東日本の最古の土器は無文であるが、九州ではそれらに匹敵するほど古い土器は無文ではなく豆粒文土器である。この違いは一体何だろうか。

 

隆起線文土器(レプリカ)

長崎県佐世保市福井洞窟

福井洞窟ミュージアム
2022年5月1日撮影

キャプションには、16,000~15,000年前とあり、上の豆粒文土器と同じ頃。一般的には、九州においては隆起線文土器は、豆粒文土器に続いて登場すると言われているが、福井洞窟ミュージアムの見解では、ほとんど時期差が無いらしい。その時代、東日本ではまだ無文土器の時代で、隆起線文土器が登場するのはもう少し後と考えられている。ただし、同じ「隆起線文土器」と呼ばれていても、東日本のそれと九州のそれとは風合いがかなり異なる。もう少し細かい分類が必要ではないだろうか。

 

 

隆起線文土器(レプリカ)

長崎県佐世保市泉福寺洞窟

佐世保市うつわ歴史館
2022年5月1日撮影

 

爪形文土器

長崎県佐世保市福井洞窟

福井洞窟ミュージアム
2022年5月1日撮影

キャプションには、15,200~14,700年前とある。爪形文土器は、北海道と沖縄を除く列島各地で作られた土器だが、福井洞窟ミュージアムの見解では、九州で爪形文土器が作られた時期は東日本より早いように思える。実年代の考え方について、研究者によって違う尺度が存在するのだろう。

 

押引文土器(レプリカ)

長崎県佐世保市福井洞窟

福井洞窟ミュージアム
2022年5月1日撮影

キャプションには、14,000~13,000年前とある。押引文土器というのは東日本では聴いたことが無い。

 

 

縄文時代早期

撚糸文土器

熊本県大津町無田原遺跡

熊本博物館
2022年5月3日撮影

撚糸文は早期前半に関東地方で流行った文様だが九州にもあるようだ。ただし、関東の撚糸文とは風合いが違う。

 

押型文土器

熊本県熊本市阿高貝塚

熊本博物館
2022年5月3日撮影

押型文は、概ね早期前半に西日本や東北地方で流行った文様。

 

楕円押型文土器

長崎県佐世保市岩下洞穴

佐世保市うつわ歴史館
2022年5月1日撮影

キャプションにはわざわざ「楕円」と記している。

 

型式不明(早期後半?)

佐賀県佐賀市久保泉丸山遺跡

佐賀県立博物館
2022年4月30日撮影

 

 

縄文時代前期

曽畑式土器

熊本県宇土市曽畑貝塚

宇土市立図書館・郷土資料館
2024年3月17日撮影

 

曽畑式土器

熊本県宇土市曽畑貝塚

宇土市立図書館・郷土資料館
2022年5月2日撮影

 

曽畑式土器

熊本県宇土市曽畑貝塚低湿地遺跡

熊本県立装飾古墳館
2024年3月15日撮影

 

曽畑式土器

熊本県西原村桑鶴遺跡

熊本博物館
2022年5月3日撮影

 

曽畑式土器

長崎県佐世保市下本山遺跡

佐世保市うつわ歴史館
2022年5月1日撮影

 

 

縄文時代中期

阿高式土器

熊本県湯前町米山遺跡

熊本県立装飾古墳館
2024年3月15日撮影

 

阿高式土器

熊本県城南町阿高貝塚

熊本博物館
2022年5月3日撮影

 

並木式土器

佐賀県鳥栖市平原遺跡

佐賀県立博物館
2022年4月30日撮影

 

縄文時代後期

※現状、後期土器は編年順に整理できていません。

 

北九根山式土器

熊本県宇土市曽畑貝塚?

宇土市立図書館・郷土資料館
2022年5月2日撮影

 

西平式土器

福岡県うきは市吉井町若宮

吉井歴史民俗資料館
2023年10月20日撮影

 

鐘ヶ崎式土器

熊本県宇土市曽畑貝塚

熊本博物館
2022年5月3日撮影

 

鐘ヶ崎式土器

熊本県熊本市渡鹿貝塚

熊本博物館
2022年5月3日撮影

 

鐘ヶ崎式土器

長崎県佐世保市焼山遺跡

佐世保市うつわ歴史館
2022年5月1日撮影

 

中津式土器

長崎県阿蘇市糀原遺跡

熊本博物館
2022年5月3日撮影

 

 

鳥井原式土器

熊本市上南部遺跡C地点

熊本博物館
2022年5月3日撮影

関東では後期になると堀之内式土器の注口土器が大フィーバーするが、九州でも注口土器が作られていて面白い。

 

鳥井原式土器

熊本県菊池市町畑遺跡

熊本博物館
2022年5月3日撮影

 

御領式土器

不明

熊本県立装飾古墳館
2024年3月15日撮影

 

三万田(みまんだ)式土器

福岡県うきは市吉井町法華原

吉井歴史民俗資料館
2023年10月20日撮影

 

三万田式土器

熊本市太郎迫遺跡

熊本博物館
2022年5月3日撮影

 

 

縄文時代晩期

山の寺式土器

長崎県佐世保市宮の本遺跡

佐世保市うつわ歴史館
2022年5月1日撮影

 

夜臼(ゆうす)Ⅰ式土器

福岡市博多区板付遺跡

板付遺跡弥生館
2018年3月11日撮影

夜臼式土器が作られたころにはもう灌漑水田が作られていた。

 

夜臼Ⅱa式土器

福岡市博多区板付遺跡

板付遺跡弥生館
2018年3月11日撮影

 

夜臼式土器

長崎県佐世保市四反田遺跡小甕棺墓

佐世保市うつわ歴史館
2022年5月1日撮影

 

参考資料

・『縄文土器の研究 普及版』 小林達雄/著
・『縄文土器ガイドブック』 井口直司/著

 

 

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