三戸式土器/縄文時代早期【ひたすら土器写真】

最終更新日:2024年12月18日

※写真はすべて稲用が撮影しました
※写真はなるべく文様がよく見えるように明るめに補正していますので、実物とは色味が違うことがあります
※展示ケースの反射で余計なものが写り込んでいるものがあります
※今一ピンが甘いものがあります
※撮影禁止のものは写していないつもりですが、万が一掲載不可のものがあったらお知らせください
※型式を始めとして説明文におかしな点がありましたらご教示ください
※紹介した遺物が現在その施設で展示されているとも限らないのでご注意ください
※各写真はクリックで拡大します

 

 

 三戸(みと)式土器の標式遺跡は、神奈川県三浦市の三戸遺跡です(弥生時代の赤坂遺跡のすぐ西側ですが、説明板とか目で見れる何かは無いようです)。

 関東地方の縄文土器は前の平坂式でついに無文化しましたが、ここにきて再び文様を付け始めました。それが三戸式土器です。文様は沈線で、縄文は施文せず、地味な印象を受けます。久しぶりに文様を付けたので、また最初からデザインし直しという感じでしょうか。

 深鉢以外の器形は無さそうで、口唇が水平で突起はなく、次の田戸下層式から波状口縁が現れます。尖底で、乳房状尖底もあります。

 早期中葉の型式は、平坂式と三戸式に分類され、両者で2000年くらいの時代をカヴァーしているようです。かなり長期間なので、考古学者は細分化を試みているようですが、学者の間で沈線文土器に対する認識が異なっていて話が折り合わないようです(三戸式期、北東北では6型式ほどに分けられています)。学問の世界全体で研究が進んでいない土器型式である印象を受けます。

 

キャプション情報
タイトル:縄文土器 深鉢
出土地:東京都稲城市TN No.366遺跡
土器型式:三戸式土器

東京都埋蔵文化財センター
2022年5月14日撮影

 

 

キャプション情報
タイトル:深鉢(尖底)
出土地:東京都世田谷区中明神遺跡
土器型式:三戸式

世田谷区立郷土資料館
2018年11月23日撮影

 

 

参考資料

・『縄文土器の研究 普及版』 小林達雄/著

 

 

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