最終更新日:2024年12月26日
※写真はすべて稲用が撮影しました
※写真はなるべく文様がよく見えるように明るめに補正していますので、実物とは色味が違うことがあります
※展示ケースの反射で余計なものが写り込んでいるものがあります
※今一ピンが甘いものがあります
※撮影禁止のものは写していないつもりですが、万が一掲載不可のものがあったらお知らせください
※型式を始めとして説明文におかしな点がありましたらご教示ください
※紹介した遺物が現在その施設で展示されているとも限らないのでご注意ください
※各写真はクリックで拡大します
井草式土器の標式遺跡は、東京都杉並区の井草遺跡です。杉並区立郷土博物館の展示パネルによると、昭和12年春、東京府立農藝高校の教諭・矢島清作が、上井草4丁目の台地上にて新形式の土器片を見つけ、昭和15年に発掘調査が行われました。その土器は、撚糸文(よりいともん)系土器と呼ばれるもので、関東ローム層と黒土の境目付近で見つかったことから、当時は最古の土器として注目されました。
井草式土器は、丸底の深鉢形で、口縁部がわずかに開いており、ほぼ器面全体に撚糸文が施されています。撚糸文というのは、木か何かの芯に縄を巻き付けた絡条体(らくじょうたい)と呼ばれる施文具を使って付ける文様のことを言います。イメージ的には、時期も場所も違いますが、このようなものです。
井草式土器は、関東地方における早期土器のトップバッターです。これより古い土器は、多縄文系土器といって、縄自体を器面に転がして施文していました。
井草式土器が見つかった戦前から戦後のある時期までは、縄文時代の区分は、早期、前期、中期、後期、晩期の5期区分だったため、井草式土器は早期土器とされていましたが、昭和37年、山内清男が新たに草創期を創設し、この頃類例が増えていた井草式土器などの撚糸文系土器を草創期に入れることを発表しました。
ところが、いくら学会の重鎮の意見とはいえ、それまでの学史もあることから、草創期という新たな区分の創設には異論がないとしても、撚糸文系土器に関しては、従来通りの早期でよいのではないかという意見も根強く、結局、現在では多くの研究者が撚糸文系土器を早期初頭の土器として位置づけています。
キャプション情報
タイトル:井草式土器(複製)
出土地:東京都杉並区井草遺跡
土器型式:井草式
杉並区立郷土博物館
2023年10月5日撮影
キャプション情報
タイトル:香山新田中横堀遺跡出土縄文土器
出土地:千葉県芝山町香山新田中横堀遺跡
土器型式:井草式
芝山古墳・はにわ博物館
2024年12月22日撮影
キャプション情報
タイトル:香山新田中横堀遺跡出土縄文土器
出土地:千葉県芝山町香山新田中横堀遺跡
土器型式:井草式
芝山古墳・はにわ博物館
2024年12月22日撮影
キャプション情報
タイトル:香山新田中横堀遺跡出土縄文土器
出土地:千葉県芝山町香山新田中横堀遺跡
土器型式:井草式
芝山古墳・はにわ博物館
2024年12月22日撮影
キャプション情報
タイトル:香山新田中横堀遺跡出土縄文土器
出土地:千葉県芝山町香山新田中横堀遺跡
土器型式:井草式
芝山古墳・はにわ博物館
2024年12月22日撮影
参考資料
・『縄文土器の研究 普及版』 小林達雄/著