【募集終了】7/20~21【2日連続】夏の考古遺物観察シリーズ③ 北信と上越の縄文・弥生文化を探る <第151次 AICT>

 

講座概要

 長野県や新潟県というと縄文のイメージが強いと思います。実際に縄文時代中期は日本でも有数の遺跡数を誇り、芸術的ともいえる素晴らしい土器を造っていました。でも実は、弥生時代も非常に興味深い遺跡が多く、北信では栗林式土器箱清水式土器といった赤く塗ることが特徴的な土器を造り、独特な墳墓を造りました。また、さらには上越地方では西日本と同様に環濠集落や高地性集落も造られました。

 今回はそんな北信・上越地域を施設中心でめぐります。なるべく一か所の滞在時間に余裕を持たせ、じっくりと鑑賞しようと思っています。

 ただし、多少は外も歩きますので、その時間は日傘をさしながらでも良いので少し頑張りましょう。

 ※本現地講座を企画した段階では、各館の休館予定はチェックしていますが、もし臨時休館になってしまった場合は、他の箇所で代替させていただきます。

 ※各館に展示してある遺物に関しては、タイミングによっては他館へ貸出している可能性もありますが、その場合はご了承ください。

 ※本現地講座は自動車を使用します。

 

開催日

2024年7月20日(土)~21日(日)

 

集合場所と出発時刻

長野駅 新幹線改札を出た場所に、9時45分集合でお願いします。

※東京方面からいらっしゃる場合は、東京駅8:11発「かがやき505号」(長野駅9:38着)がちょうどよいです。

※レンタカー屋は駅から近いですが、少し分かりにくい場所にあるので、全員集まってから車を借りに向かいます。

 

宿泊場所

直江津駅近くでお取りください。
直江津駅近くで取れない場合は、車で10分程度であれば送迎いたします。
車で送迎できるホテルとしては、例えば以下のホテルがあります。
・ホテルアルファーワン上越(少しでも節約したいとき。稲用はここを予約しました)
・ホテルルートイン上越(安定のルートイン)

 

解散場所と帰着時刻

以下の列車に乗れるように長野駅に戻ります。

18:25 発 はくたか572号(東京駅20:00着)
これより前の「かがやき」だと微妙に厳しいので、これをターゲットにします。

 

主な探訪箇所

探訪箇所はまだ増える可能性があります。

 

【1日目】

  


中野市立博物館|長野県中野市

 中野市内の歴史について解説した博物館。とくに今回のテーマと合致している柳沢遺跡については、柳沢遺跡展示室が設けられ、同遺跡出土の国指定重要文化財である銅戈・銅鐸や栗林式土器、吉田式土器、土製円盤、磨製石斧、石鏃、管玉などを展示しています。火曜日休館。

 栗林式土器は弥生時代中期後半の土器で、小型の鉢や高坏、壺を赤く塗ることで有名です。土器を赤く塗る文化は、後期の箱清水式土器に受け継がれます。

 


柳沢遺跡|長野県中野市

 東日本で初めて銅戈・銅鐸が発見された遺跡です。大型の礫床木棺墓が見つかっており、他者から隔絶した人物が存在していたことが分かります。

 


木島平村ふるさと資料館|長野県木島平村

 木島平村の歴史について紹介している資料館で、根塚遺跡出土品が展示してある「特別収蔵庫」があります。月曜休館(特別収蔵庫は基本土日祝は閉鎖ですが、事前連絡で開館するとのことです。GW中は役場が休みなのでGWが明けたら電話で確認します)。

 


根塚遺跡|長野県木島平村

 弥生時代後期の鉄剣が出土したことが発端となり、全面的な発掘が行われ、縄文から中世に至る複合遺跡であることが分かりました。弥生時代後期の箱清水式土器が大量に出土しています。現在は、遺跡公園として整備され、遺構は地下に保存されているため、目で見られる遺構はありません。

 箱清水式土器は後期の土器で、既述した栗林式土器の赤彩文化を継承し、さらに拡大しました。この文化は群馬県にまで及んで、群馬県での樽式土器に影響を及ぼしています(なお、樽式勢力は古墳時代初頭には濃尾勢力の進出によって大きく力を削がれます)。

 なお、AICTでは登呂遺跡を何度かご案内していますが、登呂遺跡で見つかる赤い色の土器もこの地域で繁茂した赤採文化の影響を受けていると考えられているのです。

 


栄村歴史文化館 こらっせ|長野県栄村

 縄文土器の展示が素晴らしい。地図を見てもらうと分かりますが、栄村は千曲川(新潟県内では信濃川と呼ばれる)流域にあります。今は山間の辺鄙な場所に見えますが、往古から文化の通り道です。そのため、この流域には火焔型土器の文化も入ってきており、実際に火焔型土器の展示もあります。

 今回の現地講座のテーマに火焔型土器は含まれていませんが、栄村で少しだけ信濃川流域の文化に触れてみましょう。月曜休館。

 
 

 

【2日目】

 


釜蓋遺跡ガイダンス館|新潟県上越市

 釜蓋遺跡に隣接した施設。火曜休館。2024年7月10日~8月26日は無休。

 
 

 


釜蓋遺跡|新潟県上越市

 かまぶたいせき。弥生末頃から古墳時代初頭にかけて営まれた環濠集落跡。低地に造られた環濠集落ですので、奈良の唐古鍵遺跡などと比較すると面白いでしょう。

 

 


吹上遺跡|新潟県上越市

 新潟県内では弥生時代中期前半になると環濠集落が現れます。吹上遺跡は釜蓋遺跡と同様に低地に造られた環濠集落で、出土した土器には信州系のものも含まれるため、この集落の構成員には信州に出自を持つ人物もいたと考えられます。また、中期中葉には玉作工房も営まれ、ヒスイ製勾玉の生産量では全国有数とされています。

 今回の現地講座では上越市から県境を越えて長野県へ向かいますの。往古からの文化の通り道です。上越と北信の近さが実感できると思います。

 

 


斐太歴史の里 総合案内所|新潟県妙高市

 斐太遺跡やその周辺についてのガイダンス施設。考古遺物の展示もあります。4月初旬~11月下旬開館。

 
 

 


斐太遺跡|新潟県妙高市

 ひだいせき。越後最大の弥生集落跡です。後期中葉から古墳時代が始まるころまで存続した集落で、比高45m以上の場所にあり、環濠も施されています。高地性集落の範疇に入ると考えられます。

 見つかった建物跡は130棟、土器類は北陸系で、県内の高地性集落として著名な新潟市の古津八幡山遺跡と違って東北地方に出自を持つ構成員の面影は見えません。新潟県も広いですから、上越までは東北勢力の影響は及ばなかったのでしょう。

 なお、見学することはできませんが、斐太遺跡群で検出されたA2号台状墓は、正確な大きさは不明ですが長辺は20mに達するようで、上越地方においても古墳が出現するよりも前に他者から隔絶した地位にある権力者の存在が見え隠れします。

 

 


片貝縄文資料館|新潟県上越市

 施設名の通り、片貝地区の縄文遺跡から出土した遺物の展示がメインです。火曜日休館。

 
 

 


野尻湖ナウマンゾウ博物館|長野県信濃町

 旧石器時代の著名なナウマンゾウのキルサイト(解体場)である野尻湖底遺跡の近くにある博物館。ナウマンゾウについての展示では国内随一の内容です。7~8月は無休。

 今回のテーマとは違いますが、通り道にあるので無視して通過することはできません。せっかくなので訪れます。

 
 
近くにある「野尻湖のナウマンゾウ親子像」も見に行きます(写真は季節が違ってスミマセン) 

 


野尻湖底遺跡|長野県信濃町

 目で見られるものは何もありませんが、ナウマンゾウの発掘現場にも行きます。

 

 

参加費

参加者が2名様の場合、お一人様40,000円
参加者が3~5名様の場合、お一人様35,000円

 

催行人員

最少は2名様
最大は5名様

 

キャンセル料と発生時期

キャンセル料は、1ヶ月前から発生し、17,500円になります。
前日・当日のキャンセルは、35,000円となります。

 

参加予定メンバー(5月15日現在)

・早坂さん
・まだらさん
・MTさん
・猫さん
・えりさん

以上、女性4名様、男性1名様(残席なし)

※ニックネームの掲載を許可してくださった方のみ掲載しています



「【募集終了】7/20~21【2日連続】夏の考古遺物観察シリーズ③ 北信と上越の縄文・弥生文化を探る <第151次 AICT>」への2件のフィードバック

  1. こんばんは。久しぶりに申し込みさせていただきます。
    大宮で乗車降車します。ホテルはルートインです。

    1. 吉澤江理さん

      お申し込みありがとうございます。
      少しの間、旅先に居てサイトの管理画面を開いておらず、確認が遅れて済みませんでした。
      よろしくお願いいたします。

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