講座概要
AICTでは、以前からヤマト王権成立時における濃尾勢力の重要性を説いてきました。今回は美濃の中でも前方後方墳を始めとして、出現期古墳など、古い時期の墳墓をなるべく多く訪れます。また、美濃は群集墳が多い場所でもあるので、著名な群集墳を見学して、群集墳とは一体何なのか考えていただきます。もちろん、岐阜県最大の昼飯大塚古墳にも訪れます。
※探訪箇所を追加しました(加佐美山1号墳、廻間遺跡のSZ01跡、西上免古墳跡)。リクエストも受け付けていますが、現状で結構パンパンなので、必ずしも希望が叶うとも限りません(3月7日追記)
※本現地講座は車を使用します。
本講座のテーマ
AICTの掲げるテーマの内、本講座は主として「◎」に該当します。
旧石器時代 | 日本人のルーツと列島文化の始まりを探る | |
縄文時代 | 土器と土偶を楽しもう・列島各地の多様な縄文文化に触れる | |
弥生時代 | 列島各地における国ぐにの発生と邪馬台国の謎を追う | |
古墳~飛鳥時代 | リアル日本書紀・ヤマト王権の確立と古代国家成立への軌跡を探る | |
◎ | 古墳~飛鳥時代 | 列島各地の古墳をめぐろう・諸国古墳探訪 美濃編 |
奈良~平安 | リアル続日本紀・列島各地に残る律令国家を見る | |
戦国時代 |
開催日
2024年5月22日(水)~24日(金)
集合場所と出発時刻
レンタカーのサイズアップにより借りる店を変更したため、集合場所を以下のように変更します(3月28日追記)
名古屋駅 9:30 「銀の時計」の前でお願いします。
名古屋駅の構内図はこちら。
「銀の時計」は、中央コンコースの新幹線改札に近い方で、太閤通口に近い場所にあります。「金の時計」ではありません。
名古屋駅は大きい駅ですから、迷う方がたまにいますが、迷ったときは駅員さんか通りがかりの地元民らしき人に「銀の時計はどちらですか?」と尋ねるか、あるいは私までお電話ください。
オリックスレンタカー 名古屋新幹線口店 9:30出発
※名古屋出発の際のいつもの店です
JR名古屋駅太閤通口を出て、北方向(向かって右方向)。
お店のサイトには、徒歩6分と記していますが、もう少しかかると思います。
駅から少し遠いですが、よろしくお願いいたします。
住所:名古屋市中村区亀島2-12-11
電話番号:052-459-0543
お店のサイトはこちらです。
宿泊場所
行程が大きく変わったため、宿泊場所を変更します。(3月28日追記)
1日目(水曜日):大垣駅近くでお取りください
2日目(木曜日):JR岐阜駅/名鉄岐阜駅近くでお取りください
1日目(水曜日):可児駅近くでお取りください
可児駅近くはあまりホテルがないため、多少距離があっても車で送迎します。
お勧めは、ルートインあるいはABホテルで、稲用はABホテルを予約しました(2月20日追記)。
2日目(木曜日):大垣駅近くでお取りください
※続けて、土日の関ヶ原古戦場現地講座に参加される方は、3日目(金曜日)は名古屋駅近くでお取りいただくと便利です
解散場所と帰着時刻
名古屋駅に18時30分までに戻ります。
※濃尾平野は道路が混んで到着時刻が遅れる傾向があるため、新幹線の指定券を買う場合は、可能であれば当日駅に着いてから買っていただくと良いです。駅ビルには美味しい食べ物屋さんが沢山あるので、切符を買った後に食べるとちょうどよいと思います。
探訪箇所
※探訪順は、以下の順番ではありません。
※探訪箇所はさらに増えるかもしれません。
※行程を変えましたが、それ以前と探訪箇所の増減はありません(3月28日追記)
夕田墳墓群|富加町
夕田(ゆうだ)墳墓群は2世紀後葉から3世紀中頃にかけて築造された墳墓群で、突出部付の円形墳墓の蓮野1号墳と、前方後円墳の夕田茶臼山古墳が国指定史跡となっており、見学ができます。
富加町郷土資料館|富加町
夕田古墳群を始めとして町内の遺跡に関する展示があります。月曜休館。
72
長塚古墳|可児市
前波の三ツ塚の一基。可児地方を代表する前方後円墳です。
60
西寺山古墳|可児市
前波の三ツ塚の一基。
29.5
次郎兵衛塚1号墳|可児市
川合考古資料館|可児市
月曜休館。
可児郷土歴史館|可児市
月曜休館。
衣裳塚古墳|各務原市
4世紀後半に築造された径52mの円墳で、円墳としては美濃最大といわれています。
15
加佐美山1号墳|各務原市
弥生時代後期の墳丘墓とされ、築造時期は赤塚次郎さんは2世紀初頭とします。一辺15mあるいは25mの規模で、主体部は不明。
瑞龍寺山頂遺跡|岐阜市
岩盤を刳り抜いて長方形の穴を2基構築。その一つからは弥生時代後期の土器や墳墓から出土することの多い内行花文鏡が見つかり、現状では、濃尾平野で最初の特定個人墓とされます。その時代は西暦100年くらいとの考えがありますが、赤塚次郎さんはもっと古く、1世紀半ばくらいと考えているようです。吉備の楯築墳丘墓や出雲の西谷墳墓群よりも古いです。
北部九州ではすでに特定個人墓が築造され、古墳時代への助走が始めっていましたが、こんな早い時期に濃尾平野でも「最初の王」が誕生していたのです。
※『関東における古墳出現期の変革』P.50
120
坊の塚古墳|岐阜市
岐阜県で2番目に大きな古墳。周辺は住宅に攻められていますが、墳丘自体の残りはよいです。
船来山古墳群|本巣町
400基以上からなる東海地方最大の群集墳です。可能な範囲で見学します。
古墳と柿の館|本巣町
特産品の柿と一緒に紹介されている施設ですが、古墳関係の展示は充実しています。月曜休館。
野古墳群|大野町
5世紀から6世紀にかけて築造された古墳群で、平野の狭い範囲に80m級の前方後円墳4基を含め9基の古墳が、ギュッとひしめき合って現存しており、イメージ的には埼玉古墳群のような感じです。ただし、こちらは北側に山が迫っており、周囲の景観は違います。
野古墳群最大の古墳は、墳丘長85mの登越古墳(野4号墳)で、二重周溝を備えています。
墳丘長78.3mの南屋敷西古墳(野3号墳)。
墳丘長75mの南出口古墳(野5号墳)を望みます。
大野あけぼのミュージアム(大野町埋蔵文化財センター)|大野町
令和3年6月にオープンした新しい施設です。野古墳群や町内の遺跡に関する展示があります。月曜休館。
東町田墳墓群|大垣市
東町田(ひがしちょうだ)墳墓群では2基の円形墳丘墓と2基の方形周溝墓が確認されており、すべて築造時期は弥生時代終末期(廻間Ⅱ式期=庄内期=3世紀前半)でほぼ同時期に築造されたとしています。
SZ27は、東町田墳墓群の中核をなす墳墓で、高さが3mほどある円形墳丘墓です。
150
昼飯大塚古墳|大垣市
墳丘長150mを誇る岐阜県最大の前方後円墳です。綺麗に整備されており見学しやすい。
墳頂からは関ヶ原古戦場方面が望見できます。
100
粉糠山古墳|大垣市
東海地方最大の前方後方墳。全国では10位となります。
大垣市歴史民俗資料館|大垣市
美濃国分寺跡に隣接しているため、それに関する展示が豊富ですが、古墳に関する展示もあります。なお、国分寺跡はもし時間に余裕があれば見学しますが、割愛する可能性もありますのでご了承ください。火曜休館。
象鼻山古墳群|養老町
象鼻山の山頂から山腹にかけて、前方後方墳2基、方墳17基、円墳40基、形状不明3基の合計62基が判明している大規模古墳群です(数は1990年現在)。
上円下方墳のような形状の他に類を見ない弥生墳墓である3号墳や、出現期古墳とされる前方後方墳の1号墳などがあります。山頂までは麓からゆっくり上がって15分くらいの登山になります。
最頂部にある象鼻山1号墳からの見晴らしはとてもいいです。
なお、探訪はしませんが、ここから尾根伝いに行くと、関ヶ原合戦の際に長曾我部盛親が在陣した場所があり、さらに進むと毛利秀元の南宮山となります。
40.5
西上免古墳跡|一宮市
美濃ではないですが、尾張の現地講座でまだ訪れていないので今回寄ります。ただし、墳丘はなく、説明板しかありません。
2世紀末に造営が始まり、3世紀初頭に完成。つまり、邪馬台国の頃の古墳です。
これ以降、濃尾平野には西上免古墳と同規模の前方後方墳が複数築造され、古墳築造に際して、規模などのルールが各首長の間で共有され、国が登場する前段階まで社会が発展していたと考えられます。
25
廻間遺跡のSZ01跡|清須市
こちらも尾張ですが寄ります。ただし、墳丘はなく、説明板しかありません。
濃尾平野最古の前方後方墳。造営時期は、遅くとも150年頃で、赤塚次郎さんは廻間0式(125年くらい)の築造としています。上述の象鼻山3号墳と同じ頃です。
参加費
参加者が2名様の場合、お一人様55,000円
同3~5名様の場合、お一人様50,000円
2日間参加の方は35,000円(3月28日追記)
キャンセル料と発生時期
キャンセル料は、開催1ヶ月前の4月22日に発生し、27,500円となります(2日間参加の方も同じです<3月28日追記>)。
前日・当日の場合は、55,000円です(2日間参加の方は35,000円です<3月28日追記>)。
催行人員
最少は2名様、最大は3名様
参加予定メンバー(5月2日現在)
・まだらさん
・勝衛さん
・おおくみさん(1~2日目参加)
以上、女性2名様、男性1名様