国宝じゃなくても重文じゃなくても主役は私たちよ!
2023年10月2日号
縄文マニアは知っている。
富山県の縄文が面白いことを。
富山市考古資料館は、クラツーでもAICTでも案内しているが、ここの展示はいろいろ素晴らしいのだ。
土偶も個性的な子が集まっている。
私は博物館や資料館に行くと、アイドルのスカウトマンになったつもりで未来のスターを探すのだが、富山市の古沢遺跡出身の子たちはなかなか将来が有望だぞ。
例えばこの「コアラ」ちゃん。
いや、名前は私が勝手につけているだけだ。
昔働いていたITの現場で、いつもグレーのスーツで決めてくる少しムキッとした体格の背の丸いSEがいて、私はその人の正体はコアラだったんじゃないかと睨んでいる。
そして、60年代のアニメに出てきた風の子。
決して主役にはなれないが、ちょっとドジな脇役として場を和ますキャラクターだ。
きっと。
こっちは他の遺跡だが、まだまだ仲間はたくさんいる。
ご両親は山梨県出身ですか?
そういえば、今は会社の面接でも出身地とかを聴いちゃダメなんですよね。
履歴書には本籍を書く欄はとっくの昔に無くなっているし。
出身地っていうのは、その人のアイデンティティそのものですから、それを知った上で、その土地の文化に思いを馳せて、その人をリスペクトするべきだと思いますが、過去に大手・中小問わず、頭の悪い幹部や人事部社員が沢山いたことの結果、こうなってしまったんでしょうね。
私なんて自分や親の出自は喋りたくて仕方がない方ですが。
私の祖父は青森県三戸町出身。
青森県といえば、晩期は遮光器土偶ですね。
亀ヶ岡文化は富山県にも来ていますよ。
「私は松本のあの子ほどは崩れてないわよ」
そう言いながら、顔をほのかに赤らめているこの子は、かすかに朱が残っているのが分かります。
というわけで、この子たちの中から未来のスターが生まれるかもしれないのだ。
※本記事で紹介した遺物が現時点で展示されているとは限りませんので、その点はご了承ください。