北海道礼文町・浜中2遺跡出土の牙製女性像【日刊遺物新聞 第7号】

オホーツク文化へのロマン

2023年9月27日号

 利尻島と礼文島はセットにして語られることが多い。旅行会社では、両島に単に「行って来た」と言うことができる程度の弾丸ツアーもあるが、そういう自己満足にお金と時間を使うのは勿体ない。参加者にも様々な事情があると思うが、せっかく行くなら、もう少しお金と時間を確保して行くべき場所である。両島には見どころはたくさんある。

 島内を走り回って遺跡や景勝地を巡るのであれば利尻島の方が面白いという印象があるが、礼文島には礼文町郷土資料館という素晴らしい施設がある。いずれにせよ、どちらの島にもセコマがあるので心配はいらない。

 礼文町郷土資料館には島内の遺跡から出た土器などが展示してある。場所柄、オホーツク文化に関する展示も多い。

 この牙製女性像もオホーツク人が残したもので、島内の浜中2遺跡から出土した。

礼文町郷土資料館にて撮影

 面白いのは、腰の部分にちいちゃなクマちゃんが浮き彫りにされていることだ。

 これは、オホーツク人のクマに対する思いがこめられている作品だと思うが、ではそのオホーツク人とはいったい何者なのか?

 本サイト上の「北海道の歴史」のページを参照されたし。

 ただし、そこでは土器の話が中心でちょっと難しいかも知れないので、気になった方は、来年6月に予定している道東の現地講座に参加してくださると貴方も私もハッピーになれる。

 なお、浜中遺跡はこんな感じで説明板一つない。 

浜中遺跡

 利尻・礼文だけでなく、北海道全体に言えることとして、遺跡に説明板を設置することが少ない。自治体によって温度差はあるので、設置に積極的な自治体もあるが、全体的にはあまり関心はないような雰囲気だ。

 しかしそれでも、私は北海道が大好きだ。

礼文町郷土資料館

 ※本記事で紹介した遺物が現時点で展示されているとは限りませんので、その点はご了承ください。

 

 

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