神子柴遺跡|長野県南箕輪村/御殿場遺跡・伊那市創造館|同伊那市【AICT開催レポート】第118次現地講座「南信の縄文と飯田古墳群」その3

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神子柴遺跡|長野県南箕輪村

 神子柴(みこしば)遺跡は、学史に燦然たる輝きを放っている遺跡です。

 縄文時代の一番最初の無文土器が出るころの文化を神子柴・長者久保文化と呼び、その名のもとになった遺跡です。ちなみに、長者久保遺跡は青森県東北町にあります。

 神子柴・長者久保文化の遺跡で特に著名なのは、日本最古の土器が出土した青森県外ヶ浜町の大平山元Ⅰ遺跡です。

 神子柴・長者久保文化の遺跡は列島各地にあって東京にもありますよ。あきる野市の前田耕地遺跡がそうで、AICTでも2022年4月27日に訪れています。

 このように最古級の土器が出土する遺跡もありますが、神子柴遺跡では土器は出ませんでした。

 神子柴遺跡の特徴としては、狭い範囲に未使用品の磨製石斧を含めた非常に精緻な石器が故意に並べられたような状態で出土したことです。どういった性格の遺跡か分かっておらず、石器保管場所説や石器交易所説や祭祀場説など、様々な説が出て、発掘から60年以上経ってもいまだ解決していない謎の遺跡です。

 そして、神子柴遺跡から出土した石器は国の重要文化財に指定され、「日本で最も美しい石器」とも呼ばれています(あとで伊那市創造館で見ます)。

 神子柴遺跡は、天竜川右岸に位置し、天竜川に注ぐ支流の段丘崖上にあります。

 とても気持ちが良い場所ですよ。

 


御殿場遺跡|長野県伊那市

 さきほどの神子柴遺跡から天竜川を越えて、左岸へやってきました。

 御殿場遺跡は、主として縄文時代中期中葉から後葉にかけての集落跡で、このあと訪れる伊那市創造館に展示してある顔面付釣手形土器が出土した遺跡です。

 調査個所では竪穴式住居が一棟復元されていますが、その部分は立入禁止となっています。

 フェンスの外から眺めるだけですね。

 伊那谷の遺跡の魅力は、やはりこの景観です。

 天竜川は何段もの河岸段丘を造りましたが、平坦面が結構広くてスケールが大きいんですよね。

 もちろん、近代以降の開田によって殊更真っ平になったのでしょうが、他ではなかなかお目に掛かれない景色ですよ。

 


伊那市創造館|長野県伊那市

 伊那市創造館に車で来るときは、歩いて3分くらいの場所にある「こらっせ」の駐車場に止めます。

 1時間以内は無料ですが、もしそれを越えた場合は、創造館に駐車カードを出せば無料にしてくれます。

 ここの展示の売りは何と言っても神子柴遺跡出土の石器ですので、展示室は神子柴遺跡を大きくフィーチャーしています。

 磨製石斧。

 磨製石斧は柄を付けて斧にして、主に樹木の伐採に使います。

 意外と知らない人がいますが、下の方のつるんとしている方が刃ですよ。

 磨いて刃を造っているので「磨製」といいます。

 写真に上手く撮れなかったのですが、断面が蛤形になっているのが神子柴型石器の特徴の一つです。

 こちらは尖頭器(ポイント)といって、槍先の石器です。

 しかし良くもまあこんなに綺麗に整形したものですね。

 こちらの尖頭器は和田峠産の黒曜石を使っています。

 美しい。

 神子柴遺跡以外には、先ほど訪れた御殿場遺跡と、この後訪れる月見松遺跡のコーナーがあります。

 御殿場遺跡出土の顔面付釣手形土器。 

 後ろも見えるように展示されているのちゃんと確認しましょう。

 後頭部にグルグル渦巻きがありますが、国宝土偶の縄文のビーナスにも同様な造形がありますね。

 縄文人は渦巻きが好きです。

 このあと月見松遺跡に行きますが、そこで出た土偶を元に伊那市創造館のマスコットキャラクターが造られ、「つきミン」と呼ばれています。

 とても小さな土偶ですよ。

 上の遺物の全体写真の中で見つけてみてください。

 これが「つきミン」。

 では、つづいて老松場古墳群に行きますよ。

その4はこちら

 

 



 

 

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