高岡1号墳|長野県飯田市【AICT開催レポート】第118次現地講座「南信の縄文と飯田古墳群」その6

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高岡1号墳

 お客様をピックアップして探訪開始です。

 昨日は縄文遺跡と古墳をめぐりましたが、今日は丸一日、飯田古墳群に費やします。可能な限り、古墳をたくさん見ようと思っています。

 まず最初に向かったのは、高岡1号墳です。

 駐車場に到着するや否や、踏切警報機が鳴動した!

 ヘッドライトを光らせて飯田線が来ましたよ。

 213系です。

 飯田線は、愛知県の豊橋駅と長野県の辰野駅との間を乗り換えなしの6時間で結ぶ路線で、秘境駅の数々は鉄道ファンに人気があるようです。

 でも、いみじくも電車本人が主張している通り、車両自体は至って「普通」です。

 さ、古墳だ。

 いい墳丘ですねえ。

 高岡1号墳は、6世紀前半に築造された墳丘長72.3mの前方後円墳で、前方部をこちら側(西側)に向けています。

 説明板を読んでみましょう。

 周辺にも古墳をはじめとして多くの遺跡があります。

 このあと、新井原12号墳と恒川(ごんが)官衙遺跡に行ってみようと思います。

 石室が開口していますよ。

 良い注意書きですね。

 

 つまりは、崩落して埋まって死んでも自己責任だよ、ということを言っているのですが、むやみやたらに安全上の都合で石室を閉じず、こういう一文を提示して見学させるというやり方はとても好感が持てますし、飯田古墳群の魅力のひとつだと思います。

 東国の武士は、戦いにおいて顔や胸に矢を受けることはあっても背中に刺さることはないのと同じように、我々古墳マニアの中には崩落を恐れて石室に入らない選択をする人間はおりませぬ。

 なんて、大袈裟に言うほどでもないのですが、高岡1号墳の石室は入口こそ狭いですが、しゃがんで入りこめば、玄室はそこそこ広いです。

 ただし、高さがないため立てません。

 羨道の長さは僅かですから、ワンルーム石室ですね。

 石室内は元々真っ赤っかだったようで、今でもベンガラを塗布した跡が残っています。

 ところで、興味深いのは、奥壁に向かって左側の石が抜かれていて、その奥にちょっとした空間があることです。

 こんなものは見たことが無いので、皆で「何だろうねえ」と話します。

 ※註:うまく写真が撮れなかったため説明が難しいのですが、後日、飯田市考古博物館に問い合わせてみたところ、近代(おそらく明治頃)に、土地の人が蚕を飼うため開けた穴とのことでした。面白いものなので実際に見ていただければと思います。

 横穴式石室は本当にヴァリエーションが豊富で、類型化できるような似たようなものもあるにはありますが、どれも個性的で面白いのです。

 今日はこれから飯田古墳群の石室にいくつか入りますから、それらとの比較を楽しむことにしましょう。

 つづいて墳丘に登ります。

 後円部から前方部。

 後円部墳頂には高岡神社があります。

 後円部墳頂から見下ろすと結構な比高差です。

 いや、面白かった!

 良い古墳でしたね。

 つづいて、新井原12号墳に行きますが、近いので歩いて行きましょう。

その7はこちら 



 

 

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