滋賀県彦根市・彦根駅前の井伊直政【日刊銅像新聞 第2号】

鎧は着ていた方が良い

2023年10月14日号

 彦根城と言えば、恐らく多くの人がまず「ひこにゃん」を最初に想起するだろう。

 

 ひこにゃんは裸のようだが、兜だけはしっかりと被っている。

 その兜のデザインは、井伊直政の兜が元になっていると考えられる。

 その井伊直政の銅像が彦根駅前にある。

 

 石標には、「彦根藩初代藩主」との肩書がある。

 

 彦根藩といえば彦根城が連想されるため、直政は彦根城に居城していたと思ってしまうが、直政は彦根城築城途中の慶長7年(1602)2月1日に、佐和山城で没している。

 既述した通り、ひこにゃんは裸だが、直政は鎧をしっかりと着こむことで有名だった。物凄く用心深いのだ。ところが、その割には怪我が多く、関ヶ原の戦いの際も鉄砲傷を負っている。

 同じ徳川四天王の本多忠勝はいつも軽装備だったが、生涯57度の戦いで一度も傷を負ったことがなかったという。

 現在でも、何だか知らないけど怪我ばっかりしている人がいる。私のかつての仕事の先輩でもそういう人がいたが、直政は怪我を引き寄せる人だったのかもしれない。

 

 42歳で亡くなったのが惜しまれるが、おそらくその遺志は「ひこにゃん」が受け継いでいるのだろう。

 

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